8月7日
朝5時前、アラームが鳴る前に目が覚めた。眠気はなくすんなりベッドから起き上がる。
紋別の朝はどんより曇り。雨は降ってなさそうだが路面はしっかり濡れている。生乾きのウェアを身に着け、朝食用のパンを食べる。気温は20℃に届かない感じ、肌寒いのでアーム&レッグカバーを着ける。
5時半にホテルをチェックアウトし、倉庫に保管してあったバイクを受け取る。倉庫には他に2台程のバイクが止めてあった。同宿のライダーもいたようだ。
早速リアディレーラーのワイヤー交換作業開始。
見事に断裂。切れてほつれたワイヤーを抜き取るのにちょっと手間取った。
交換作業終了。ワイヤーカッターを持っていないので余った部分を巻いて走る。
出発前にそろそろワイヤーが切れそうな予感がして、普段は持ち歩かないスペアのワイヤーを荷物に加えたのだが、本来ならこういう大イベントの前には消耗品は新品に交換して臨むのが正しい判断だが、私の場合どうしても貧乏性が出てしまいぎりぎりまで使い倒してしまう。今回はこれが裏目に出た。
6時にホテルを出発。ペダルを漕ぎ始めたが左膝が痛い。どうやら本格的に痛めた様だ。今日は150kmだが、全行程ではまだ1000km以上残っている。ちょっと厄介なことになった。とりあえず今日は無理せずスローペースで斜里に確実にゴールすることだけを考えて走る。
紋別の街並みと海。
今日のコースは紋別を出て網走を抜け斜里にゴールする150km、1日の走行距離が一番短いステージだ。
コースに復帰し海沿いを淡々と走る。相変わらず小雨が降ったり止んだり、路面からの水飛沫でシューズが直ぐにびしょ濡れになった。
尻の表層の痛みも昨日からあまり回復しておらずダンシングを織り交ぜながら走る。微妙なアップダウンが左膝に響くので登りは極力踏まずにインナーローでやり過ごす。
左膝と尻の痛みを除けば、身体は絶好調で眠気もない。気持ち的にも悲壮感はなくまあまあ楽しんで走れている。やはり規則正しい睡眠は気力を保つには不可欠、ホテルに泊まったのは大正解だ。
サロマ湖の脇を通るルートはちょっとした林道といった感じでアップダウンがそこそこある。雨も時折強くなりちょっと難儀した。
次のPC4がある常呂までは31km、もうちょっとだ。
334km地点のPC4に到着。チェックタイムは9:23、結果的にクローズタイムに1時間弱のマージンがあった。
結構な人数のライダーが集まっている。
北海道限定の炭酸飲料「キリンガラナ」、結構旨い。あと試しに買ってみたフライドチキンがコンビニの補給食に飽きた口には旨かった。
ちょっと長めに休憩して再スタート。雨も上がって路面も乾いてきた。
少し走ってサイクリングロードに入る。
細いけど草木に囲まれた気持ち良さそうな道。車がかっ飛んで行く幹線道路を走る緊張感から解放されのんびり走る。全長は25km位。
能取湖の風景、爽やかー。
網走湖。
サイクリングロードを抜けちょっと走ると網走市街地に入った。網走は自然厳しい流刑の地という勝手なイメージを持っていたが普通に都会だった。
網走刑務所。こんな街中にあるとは思わなかった。
網走の街中を抜ける頃には日差しも出てきて暑くなったのでアームカバーを外して走る。
網走の11時半の気温18℃。寒い。
釧路本線と並行して走る斜里国道をひた走る。真っ直ぐな道がずーっと続く。時折ぽつぽつ見える釧路本線の小さな駅が北海道の田舎情緒を醸し出していい感じ。
浜小清水、涛沸湖の風景。この広い感じは携帯のデジカメでは表現できない。
走っていて気持ち良いのだが、相変わらず車のスピードが速い。80km/hで走る車を100km/hの車が追い越しをかける感じだ。時たま抜かれる車が頑張るからレースの様なデッドヒートになることもある。それが反対車線だったりすると追い越し車が車線を大きく超えて要するにこちら側の車線を逆走してくる感じになるから正面衝突しそうで肝を冷やすことがある。北海道の道のこの有様だけはなかなか馴染めそうにない。
小浜清水を抜け小一時間走って無事にゴールの斜里のコンビニに到着。
ゴールタイムは12:50だった。ジュースを飲んでゴール受付地点に移動する。
ゴール受付地点の道の駅しゃりに到着。スタッフにブルべカードとレシートを渡して無事に認定確認完了、完走タイムは24時間50分だった。猛烈に御腹が空いたので直ぐ傍の食堂に入る。
海鮮三色丼、1680円也。高いけど旨かった。
空腹が満たされた後、スタッフに挨拶をして宿に向かう。いつの間にかすっかり晴れ間も広がり良い天気、こういうのを無駄晴れというのか。
斜里の街から2km程離れた所にある「斜里温泉湯元館」に到着。チェックインしてまずバイクを洗う。毎回の雨天走行でドロドロに汚れるのでゴール後は必ず洗車をしている感じだ。宿は旅館というより合宿所的な安普請な造りだが私的にはむしろこっちの方が居心地が良い。
ウェア類をコインランドリーに入れて、早速温泉に入る。昔ながらの造りの大きな浴場に入ると真ん中に岩風呂がドカンとある。先客は誰もおらず貸切状態でのんびり浸かる。湯の温度も私好みのぬるめで実に気持ちが良い。擦り切れた尻の皮にお湯が多少沁みるが、旅の疲れが心底癒される。極楽極楽である。
風呂から上がって洗濯物を干し、持参のタブレットPCで館内の無線LANに接続を試みるがアクセスポイントが見つからない。部屋のパンフレットにはSSIDもパスワードも書いてあるのに駄目だ。しばらく悪戦苦闘してふと思い立って廊下に出てみたら電波が微弱ながらアクセスポイントが見つかった。それから館内をうろうろしてみたらどうやら食堂あたりがベストポジションの様だ。
仕方がないので食堂傍で一通りネットチェックして部屋に戻り小一時間昼寝。
18:00夕食、弁当形式で御飯味噌汁は御代わり自由なので茶碗2杯しっかり食す。食堂でネットチェックをしばらくやって部屋に戻る。特にやることもないので、明日の準備をしてボディーケアをして横になっていたら眠くなったのでそのまま20時消灯。