新しいピアノ、YAMAHA/CP4 STAGE

 ゴールデンウィークも早3日目、ブルベもなくノープランな日々をぼちぼちのんびり過ごしている。GW直前は私の主たる業務として直接関与しているメインの事業が大幅な遅延を来たしていてGW中に数日休日出勤することがほぼ確定していたのだがそれが毎年恒例の季節性ネゴシエーションの想定外の展開により吹っ飛んでしまった。本来なら連休がフルに休めるのは歓迎すべきだが残念ながら憂慮すべき事態と言わざるを得ない。本来閑職なはずの我が身が休日出勤せざるを得ない程に切羽詰まっている状況なのにこの有様は大いに釈然としない。まあ一言で言ってしまえばトップが馬鹿だと社が迷走するということだが、かかる事態を解決するために組織の中にいた時はこの時期連日メンタルをささくれ立たせながら事にあたっていたのが嫌だったのだが、組織から離れて有事を傍観していると直接解決に手出しできない歯がゆさがもどかしさがあってどっちに転んでもイライラする。でもまあ、こうなったのは私の責任ではないしなる様にしかならないし、ヤバいことになったらその時に考えるしかないので、今うじうじと考えるのは止めてGWをぼちぼち楽しんでいる。

 

 先月の中旬、風邪を引いてしまいなかなか治らずに2週間位体調不良を抱えつつ日々過ごしていたのだが、ブルベの無い休日に床に臥せって悶々としていたらあるアイディアがふと頭に浮かんだ。

「ピアノを買い替えようかな」

 気が付いてみたら今使っている電子ピアノはもう20年位使っている。壊れたわけではないし不満があるわけではない。でも電子楽器なので20年も経てば相応の技術的進歩があるに違いない。電子ピアノはアコースティックピアノにどこまで近付けるかを追求し続けているはずなので進歩すればよりアコースティックに近付いているはずだ。一旦そういう妄想が始まるともう誰にも止められない。風邪で正常な判断機能が若干低下した頭でネットを徘徊しつつ今どんなピアノが売られているのかをリサーチする。私的には楽器と言えば基本YAMAHAなのでまずはそこを重点的に見て回る。ちょうどYAMAHAからステージピアノの新製品CP88が発売されたばかり、当然これが最先端ということになるのだろうが如何せん値段が高い。正常な判断ができないなりに経済的なブレーカーはきちんと機能するのでそこはそうそうに諦め、旧製品を探す。モデルが古くなればなるほど中古価格は安くなるが、あまり古いモデルにしてしまうと今のピアノと大して変わらない気がするので買い替える意味がない。新製品が出たということは前モデルが型落ちで値崩れするだろうをターゲットをそこに絞る。製品ラインナップは大してなくて私の要求にマッチするモデルは2つのみ、CP4かCP40かのどちらかということになったのだが違いは一言で言えば上位か下位かということ。違いをチェックしていくと上位モデルのCP4のピアノのサンプリング音にはYAMAHAの最高級グランドピアノの音が使用されているという。CP4とCP40の新品の市場流通価格の差は6~7万円といったところだが、ここは妥協するところではない。ということで機種選定はYAMAHAのCP4で落ち着いた。

 さてここからは実際の物件探し、新品だと20万円を超えるのでちょっと手出しができず当然中古市場をネットで丹念に探していく。新製品が出たから買い替えでそこそこ出物はあるのではと思ったが余り数はなく値段もそんなに安くない。まあ慌てる必要も無いので、ハードオフ、デジマート、ヤフオク、メルカリにアラートを設定して予算を13万円位に設定して気長に待つことにした。

 と言っていた矢先、2週間も経たないうちにメルカリに予算以下の出物が出て来たので、これも縁だと自分に言い聞かせて購入した。

 3月末に届いたので早速入れ替え。

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 約20年間、メインキーボードとして稼働してくれたYAHAHA/P-80。コンパクトなボディーからは想像できない程に音もキータッチも生ピアノに近く、狭い部屋でも生ピアノの疑似体験を十分にさせてくれた素晴らしい楽器だった。

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 壊れたわけではないし愛着もあるので手放す気はないし勿論まだまだ使うつもり。別室にサブ機として設置する予定。

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 さてこの度導入したYAMAHA/CP4 STAGE。初代YAMAHA/CLP-560、二代目YAMAHA/P-80に続く三代目の電子ピアノだ。P-80より奥行きが若干長くなっているがスタンドのセッティングを変えることなくそのまま置くことができた。

 セッティングを終えて軽く試奏。通常はヘッドフォンで聴きながら弾いているので、今まで使っていたヘッドフォンをそのまま使用して弾いてみる。本機の目玉であるメインのピアノ音色、YAMAHAのコンサートグランドCFXのサンプリング音は圧倒的にゴージャスで今まで使っていたヘッドフォンだとダイナミックレンジが狭過ぎて音割れする程。ただ今までのP-80の音に慣れ切っているので新しい音は違和感の方が大きくて戸惑っている。良い音だとは思うのだがなんか物凄く作られた音でゴージャスだが偽物っぽくてどうもグランドピアノの音に聴こえないのだ。新しいピアノの音に圧倒されて10数年の技術革新に感嘆するファーストインプレッションを期待したのだが、逆に落胆してしまいそうな感じだ。買い替えは早まったか?一方、キータッチは今までよりは物理的に重いが、レスポンスが良くて音の出が凄く速いのでむしろ軽く感じる。これは良い意味で予想外。まあ楽器も自転車も新しいものがいきなりジャストフィットすることはまずないことは分かっているので、これから弾き込んでいって指や耳が馴染んでくるのに期待だな。

 数日経ってもヘッドフォンの音割れがやはり気になる。このヘッドフォンも前ピアノと同様に20年近く使っているSONYのエントリーモデルだが、この機会にヘッドフォンも替えてみることにした。SONYの超定番モニターMDR-CD900STの中古をメルカリで手に入れて早速試してみたらあらびっくり!いきなり触れ込み通りのグランドピアノの音になったので驚いた。前のヘッドフォンだと音が小さくてフルボリュームにしないとちゃんと聴こえなかったのだが、新しいヘッドフォンだとボリューム半分位に落として丁度良くなった。どうやらヘッドフォン自体がヘタっていたらしい。ちゃんとしっかりとしたグランドピアノの音が聴こえてきて一安心、どうやら買替えは間違いではなかった様だ。良かった。

 メインの生ピアノ以外の音を色々と試してみるが、Fender Rhodesの音はなかなかのもの。中でもステレオ・パンの音は非常にそれっぽくて良い。Rhodesの音は昔から愛着があるのだが、あの音を出したいがためにオールドのRhodesを部屋に入れるのはどうやっても無理があるのでとうの昔に諦めていたのだが、この音なら十分に悦に入れるレベルで予想外のおまけが付いて来たみたいだ。

 あと、ストリングス・PAD系の音色がなかなか良くて、生ピアノの音と重ねて鳴らすと非常に良い音がする。個人的にはこの2音色同時発音は良く使うので、これが充実しているのは非常に有り難い。

 このピアノで弾いてみたやつをyoutubeにアップした。


When You Wish Upon a Star (YAMAHA CP4 STAGE)

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  P-80から10数年の進歩がぼちぼち分かって来て、じわじわと満足度が高まって来た。総じて、今回の電子ピアノアップグレードプロジェクトはひとまず成功裏に終わったと言っておこう。ピアノを買い替えてからほぼ毎日ピアノの前に座っている。新しい楽器を手にするとしばらくの間はずっと弄っているので多少なりとも練習になる。時間が経てば慣れてきて使用機会が減って来るものと思われるが、ムラっ気があるのは否定しないが昔からこういうペースで練習してきたし、長い目で見て結果的に進歩があるのであればこれからもそれで良いかなと思っている。一定間隔で自らに刺激を与えつつ、鍵盤でもギターでもドラムでも管楽器でも、どれか一つでも毎日触っていれば自分の中で音楽が継続し少しずつでも進歩していく、それがライフワークだ。

 

 明日からブルベ遠征で近畿に出向く。新元号初日の5/1にSR600紀伊山地のスタートする。このブログをアップした後はバイクその他装備のパッキングを開始する。このゴールデンウィークのメインイベントに向けて、忘れ物などしない様に念には念を入れて準備する。