Reset & Start

 年が明けた。2012年になったのだが、まあこれと言って変化はない。例年の如く我が家には正月っ気が殆どない。個人的には朝から間断なく呑んだり食べたりしつつ正月番組をだらだらと観て過ごすというダルな雰囲気が嫌いなので、普段通りのペースで生活する。
 とは言いつつも、とりあえず年が切り替わり区切りのタイミングなので、新しい一年のスタートを意識している。そんなわけで今年で4年目となる元旦恒例の”宇都宮ジャパンカップのコースを走る”に今年も行ってきた。

通常周回

最終周回

 最初は5周回から始めたが、去年から毎年1周回ずつ上積みしていって最終的にはジャパンカップと同じ11周回まで持って行こうというまあ無茶な目標を立てた。今年は7周回を目指す。

 朝6時過ぎ、雲の多い空模様の中、車に自転車を積んで宇都宮に向かう。8時に現地着、やはり天気は曇天、車を降りるとかなり寒い。体感では0℃くらいか。そそくさと身支度をして走り始める。
 まずはいきなりの古賀志林道。まだ身体も温まらないうちのいきなりの1kmのヒルクライムは堪える。それでもこの坂道は面白い。ジャパンカップの時の路面のペインティングがそこそこ残っていて気分を盛り上げてくれる。
 山頂を越え下りに入る。落ち葉や小枝の落下物はそこそこあるが支障はない。気を付けなければいけないのは進入禁止のバリケードを退かして入り込んでくる莫迦車だ。数年前、ここで一人のサイクリストがダウンヒルの最中に莫迦車と正面衝突して命を落としている。下りながら事故現場に未だに備えられているたくさんのボトルを見て、心の中で手を合わせながら注意深く下って行く。


 ダウンヒルを終え牧場前を走り抜ける。牛達がのんびり食事中、のどかだ。走っている最中にコースの要所要所に丸い標識が立っているのに気が付いた。確か去年はなかったように思う。もう一つ気分を盛り上げるアイテムが増えてちょっと嬉しくなる。
 県道70号は車通りも少なく非常に走り易い。元旦ならではの好環境だ。田野町の交差点を左折するとちょっとした登りがあるがこれが結構脚に来る。
 多気不動尊前の道はまだ時間が早いのか天気が良くないせいか、例年に比べて初詣客の路駐の車が少ない。走るには好都合だ。

 射撃場前を抜け池の傍を通る。氷が張っている。そして久し振りの鶴カントリー前の激坂だ。短距離だが急勾配をダンシングでやり過ごす。そしてスタート地点に戻って来た。やはりこのコースは面白い。全長14kmは長過ぎず短過ぎず、登りも幾つかあって変化に富んだコースプロフィールは周回を重ねても飽き難くて練習コースとしては最適だ。

 身体が温まって来て、徐々にペースが掴めてきた。7周回完走が目標なので古賀志林道でも上げ過ぎずに走る。ラップタイムは30分台後半といったところ。それにしても他にサイクリストは見かけない。田野町交差点のセブンイレブンで休憩中の数人を見かけただけだ。

 3周回目の県道70号で、反対車線を宇都宮ブリッツェンのジャージを着た集団とすれ違い挨拶を交わす。選手だろうか、元旦から練習とは流石だ。

 淡々と周回をこなしていくが、気温は一向に上がらずヒルクライムで汗をかくが下りで冷えてコンディションとしてはあまりよくない。冬用のロードブーツを履いているが足先が冷えて指先の感覚がなくなっている。ラップタイムも順調に落ちていく。この調子では終盤でばてそうだ。

 古賀志林道でハイキングで下ってくる初老の男性に「頑張れ!」と声を掛けられる。気合が入る。

 いよいよ最終周回、かなり脚に来ているが古賀志林道を気合で登り切り、これで7回のノルマは無事にクリアした。慎重に下りつつ最後のスプリントに備え脚を貯める。
 最終周回はショートカットで森林公園の駐車場に戻って来るが、ゴール前2kmからゴールまでの距離を示す標識が立っていて距離が測れるのが有難い。ラスト500mの標識を確認して緩やかな登りを最後の力を振り絞ってもがきつつゴール。目標通り7周回をノンストップで走り切った。

 とりあえず年初の目標を果たした充実感とかなり追い込んだ疲労感に浸りつつ、車に乗って帰途に着く。それにしてもやはり7周回はきつかった。プロロードレーサー達はこのコースを11周回もハイスピードで走り切ってしまうのだから、その実力の差は圧倒的だ。素人の俺が11周回なんて身の程知らずもいいところだ。でもまあ距離に換算すれば200kmには満たないのだから、ブルベと同じ様にペースさえ守ってゆっくり走れば走れなくはないはずだ。
 来年は8周回、順調に行けば11周回チャレンジは2016年になる。だんだん元旦のプレッシャーが大きくなってきたぞ。