ノロウイルス

 昨日、今日と会社を休んだ。病欠である。二日酔いを除いて、ちゃんとした病気で会社を休んだのが前回はいつだったか思い出せない位久し振りだ。結論から書くと、今回の原因はどうやらノロウイルスに感染したらしいのだ。

 一昨日、もうぼちぼち定時になろうかという仕事中に何となく身体の変調を感じていた。そこはかとなく悪寒がする。それでもまあ普通に立ち回れるのであまり気にしないでいた。会社を出て、寒空の中を自転車に跨り走り始めたが、普段なら10分も走れば身体が温まって来て寒さが心地良く感じてくるのに一向に寒いままだ。というより身体の中に悪寒が走っているのがはっきりと自覚できるようになって来た。スピードも上げられない。
 いよいよこれは風邪でも引いたか?と思いつつ帰宅。翌日は忘年会が設定されていて幹事の私はとりあえず店に予約を入れたが自分自身が参加できるか一抹の不安がよぎる。

 夕食を摂り始めたが、食欲が湧かず普段の半分で終了。何となく熱っぽく悪寒は相変わらず。これは間違いなく風邪を引いたと諦め、薬を飲んで早々に床に入った。
 暫くの浅い眠りの後夜半過ぎに目が覚めると、何となく腹に違和感がある。痛くはないがもたれているというか張っている感じだ。何となく吐き気はあるがこみ上げてくるほどではない。トイレに行くと軟便というより液体がどっと出て来た。風邪の症状が下痢になって表れたようだ。これ以降20分おきくらいにトイレに行く度に液体を出し続け、夜が明けた。よくもまああれだけの液体が身体に入っていたなと思うくらいの量を出して明るくなってようやく下痢の症状が落ち着いてきた。
 別に腹が痛いわけではなく、発熱で朦朧としているわけでもない。悪寒も治まってきた。自覚症状として腹の中に綿でも詰め込まれた感じと下痢だけだ。
 ネットで症状を元に検索してみると、ノロウイルス感染の症状とぴたりと符合した。発熱、吐き気、下痢、胃の膨満感、どれも当て嵌まる。どうやらノロウイルスにやられたらしい。
 家人にその旨を告げ、家庭内隔離開始(と言っても時既に遅しかも知れないが)。

 この時点で会社は病欠を決断、連絡を入れた。また、忘年会もメンバーに感染すわけにはいかないので参加できない旨詫びを入れた。
 ノロウイルス感染のクリティカルな治療法は確立されていないとのことで、止瀉薬は回復を遅らせる恐れがあるので飲まない方が良いとのこと。昨晩飲んじゃったよ。潜伏期間は1〜3日くらいとのことだから、経口感染であることを考慮すれば土曜日の新宿でのバンドの忘年会あたりが一番怪しい。
 大量の下痢による脱水症状を防ぐために十分な水分補給が必要とのこと、下痢の症状が一段落したところで買い置きのスポーツドリンクを飲み始めた。

 日中は1時間おき位に散発的な下痢で、症状はかなり治まった。食欲は相変わらず湧かないが、症状が治まったら食べた方が良いということなのでこれまた買い置きのエナジーバーを食べてみる。サイクリストとしての備えがこんな形で役立つとは。それにしても、補給食って奴は身体が欲していない時に食べるとかくも不味いものか。
 日中は散発的に睡眠を取り、夜になってちょっとだけ空腹感を覚えたので昨日の残りを食べた。

 夜になって再び下痢の症状が戻って来た。頻度は前夜ほどではないが、それでも朝まで散発的にトイレに行って液体を放出し続けた。一晩で1ロールのペースでトイレットペーパーを消費し、肛門が痛くて拭くのも辛い。それにしても我が家にトイレが2つあることのメリットを今回ばかりは痛感した。

 朝になってまだ下痢の症状は続いていたので今日も会社は病欠。
 昼になって、下痢も収まり空腹感が強くなってきたので昼食にパスタを食べる。以降、今のところ下痢の症状は出ていない。悪寒もほぼ消え、胃の膨満感もかなり治まってきた。一般的なノロウイルスの発症期間は1〜2日ということらしいので、収束期に入ったということか。

 この調子なら明日は出社できそうだ。
 それにしても、ちょっと自転車に乗って健康になったと自分の身体に過信があったことは素直に認めざるを得ない。体力はそれなりにあっても感染症には無力であることを改めて思い知らされた。当たり前と言われてしまえば返す言葉はないが、手洗い・うがいはできるだけ励行するようにこれから心掛ける。
 病気になると、気分的にもネガティブになって悶々と寝た切りで過ごすのが何とも辛い。こんなに無駄な時間を過ごすのは兎に角御免だ。