2015BRM212東京600その1

 ここのところずっと何となく忙しい日々が続いていてゆっくりブログを書いている暇がない。先週の沖縄ブルベから戻って来たと思ったらもう次のブルベが明日に迫って来ていて、最近はブルベ原稿に追われることが多くなってきている。幸い今日は有休消化で休みなので今日中に上げてしまおう。

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 2/11(水)、10時前に自宅を出発。電車を乗り継いで羽田を目指す。早くから沖縄遠征の準備をしなければと思いつつ結局前日の夜に慌ててバイクパッキングなどをやったので何かしら忘れ物がありそうで不安だ。

 山手線の最後尾に乗る。この時間だと余り気兼ねせずに済む。

 沖縄ブルベは2年位前から知っていたが、なかなか日程や費用的な面で折り合いがつかず見送っていたのだが、どうせ有給休暇の消化はまとめて1,2月に集中させなきゃいけないしいつまで沖縄でブルベが開催されるかわからないので今年は思い切ってエントリーすることにした。

 羽田空港に着いたのが12時半、余裕を持っていたつもりだったが結構時間がない。手荷物カウンターは長蛇の列でちょっと焦る。バイクケースの検査は検査員が中身を確認するのだが、以前はOKだった小さなグリススプレーやグリスケースはアウト判定。仕方なくコインロッカーに預けていく。乗るべき飛行機が遅れていたのが幸いして結果的に乗り過ごすことはなかった。

 16時過ぎに那覇空港着。

 バイクケースを受け取る。

 那覇の天気は曇り。ちょっと肌寒い感じ。南国のイメージを膨らませ過ぎだったのかちょっと拍子抜けだ。

 モノレールの”ゆいレール”で那覇市街に向かう。

 美栄橋駅で下車して那覇市街のホテルを目指す。バイクケースを押しながら歩いているとちょっと汗を掻いて来た。ジャンパーを着ていると暑い。やはり気温は高いことにようやく気付く。でも街を歩いている人達はマフラーを巻いたりダウンジャケット来ていたりちゃんと冬の格好をしている。南国の人達にとっては寒いのだ。
 ホテル着。バイクの部屋入れはすんなりOKが出て一安心。
 早速バイクの組み立て。

 バイクの組み立てを完了し、夕食の買い出し。

 ホテルの周りには呑み屋が点在していてつい入りそうになるがゴール後まで我慢と言うことでコンビニ弁当で済ませる。
 翌朝3:45にアラームをセットして22時に就寝。

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 2/12(木)、3:45にアラームで目が覚めた。起き上がって取り敢えず窓を開けたらなんと雨が降っているではないか。おまけにかなり寒い感じ。前日までの予報は完全に晴れ予報だったのでこれは想定外だ。まあこの季節の沖縄の天気は不安定と言うことはある程度は頭に入れていたので携帯用のレインジャケットは持ってきていたが、泥除けはもってこなかった。早くも装備ミスが発覚してしまった。ウェアは半袖ジャージにレーパンを基本として、アームウォーマーとニーウォーマー、指切りグローブという装備。シューズカバーは持ってこなかったが雨が降るとなるとちょっとこれでは寒いかも知れない。
 準備をして4時過ぎにホテルを出発、雨の中をスタート地点のホテルに向かう。

 スタート地点に到着。確か参加者は30人ちょっととだと思ったがそこそこな賑わい。いつものブルベとさして変わらない雰囲気。受付を済ませてブルベカードを受け取る。

 ブリーフィングが終了しいよいよスタート。雨の中を定刻の5時に出発する。

 沖縄600kmのコースレイアウトは下記の通り。
 那覇をスタートし前半は島の東岸を北上し北端で折り返して戻ってくる。340km位でちょうど那覇市街地を通過するので、仮眠ポイントに前後泊しているホテルを使うことができるというのは非常にいい。宿泊用の荷物やら予備装備を持って走らなくていいので装備が通常の200kmブルベと同じにできる。

 後半は西岸を北上し北端の同じチェックポイントで折り返して来るというルート。

 変則的だが沖縄を1周できるなかなか面白いコースだ。

 雨の中、那覇市街を走る。路面はしっかり濡れていて直ぐに尻が濡れて冷たくなった。泥除けを持ってこなかったことを後悔したが今更遅い。寒いのか寒くないのか良く分からないが、指切りグローブで問題ないところを見ると寒くないのだろう。

 暗くて見えにくいが首里城の入り口か。
 6時を過ぎてもまだ夜のまま、沖縄の夜明けは遅い。


 6時半近くになってようやく東の空が白んできた。曇り空ということもあってなかなか夜が明けない。

 緩いアップダウンが続く市街地をずっと走る。名護まで34km。
 街は意外に広い。通勤ラッシュも始まって交通量はかなり多い。10数年前に沖縄に初めて来て以来、今回が2度目の沖縄上陸だがその時はもっと寂れていたイメージがあったがそんなことは全然なく地元とそんなに変わらない感じだ。

 宜野座村に入る。

 71km地点のPC1に到着、チェックタイムは8:04。

 ここは名護らしい。

 沖縄生まれの乳酸菌飲料。余り空腹感はないので補給は軽め。
 まだ雨が微妙に降る中出発。

 PCを出て直ぐのところにあった学校。校舎はかなり大きい。

 ちょっと走った所に米軍基地があって入り口付近に人が集まっている。ここが辺野古の基地なのか。小規模ながらいまだに反対運動が続いているのを目の当たりにして、ここは沖縄なんだと改めて自覚した。

 辺野古を過ぎると民家もまばらになり、地図上では海沿いを走っているはずだが海は余り見えない。

 ようやく海らしい風景が見えた。

 緩いアップダウンが続く道を延々と走る。国頭まで56km。

 マングローブの林も曇天の下だといまいちピンと来ない。

 国頭村に入る。いつの間にか雨も上がり、空には青空が見えている。気温も高くなってきてアームウォーマーが邪魔になって来たので外す。腕に当たる風が気持ちいい。この時期にこの感じが味わえるとは、南国に来た甲斐があったというものだ。

 延々と続くアップダウンはじわじわと脚を削っていく感じ。まだ余裕はあるもののこの道を再び戻ると考えると気持ち的にはちょっとしんどい。

 東村にも基地があってここでも何かしらの反対運動が行われていた。

 何となくリア変速の動きが鈍い。トップにギアが入るのにもたつく感じがある。もしかしたらシフトケーブルが切れかかっているかも知れない。まだワイヤーを交換してそれ程時間は経っていないのだが、でもこの感じならばいきなり切れるということもなさそうなのでしばらく様子を見ることにする。

 北端が近くなってきて登りがちょっときつくなってきた。PC手前に峠越えがあったのを事前の地図読みで記憶していたので予想通りだ。

 亀の休憩所。何となく沖縄っぽい。
 北風がちょっと強くなってきて向かい風基調がはっきりしてきたがPCはもう目の前なので大してプレッシャーには感じない。峠を越えて下る先に集落が見えてきた。

 152km地点のPC2に到着、チェックタイムは11:59。

 ここは沖縄本島のほぼ北端。

 地元の御店で売っていたおにぎり。ボリュームがあって美味しい。明日来た時も必ず食べよう。

 ランドヌ東京のスタッフさんや参加者さん達と会話しながらしばし休憩。穏やかな気候ののんびりとした昼時の雰囲気がいい感じだ。
 30分程休憩の後出発。元来た道を戻る。

 名護まで86km。先は長い。

 走り始めて直ぐに後輪に違和感。何となく路面の衝撃が緩いと思ったら微妙にタイヤが潰れている。どうやらスローパンクの様だが、それ程空気圧が落ちているわけではないので取り敢えずもう少し走り続けることにする。


 道端の側溝につけられた小さな階段。ヤンバルクイナが落ちた時に上がって来れる様にとの配慮だそうだ。

 今のところヤンバルクイナの交通事故は0件。

 相変わらずアップダウンは延々と続く。向かい風が少し吹き始めてなかなか距離が進んでいかない。那覇に戻る時間が予定より遅れそうだ。

 再び東村の基地前を通過。入り口正面に掲げられたこのメッセージを見ると残念。基地の人間の多くはここに居たくて居るわけではないのにな。

 走行中に1、2度空気を足して走っていたが、徐々に空気が抜けるペースが早くなってきたので諦めて路肩にバイクを止めてチューブ交換。

 穴の位置は直ぐ分ったが、タイヤ側の原因がなかなか見つからない。原因調査を諦めてチューブ交換しようとしたら1本が新品にも関わらず穴が開いていて使い物にならなかった。どうやらサドルバッグに入れっ放しにしていたうちに擦れて穴が開いてしまったらしい。これはちょっと収納方法を考えなければいけない。取り敢えずもう1本のスペアで事無きを得たが、これでスペアチューブはなくなった。簡易パンク修理キットがあるので、次にパンクしても即アウトと言うことにはならないが更に不安材料が一つ増えた。

 時折トレイルランと思しき人達とすれ違う。挨拶を交わしながら走る。

 ようやくアップダウン区間が終わって海沿いに出た。海沿いに出たら向かい風が吹きつけて来てなかなか楽をさせてくれない。まだまだ先は長いので無理せずに淡々と走る。

 名護まで戻って来た。

 再び辺野古基地前を通過。ちょうど反対派の人達と警備員が小競り合いをしている最中だった。本土ではもう殆ど報道されなくなっているが、ここでは小規模ながらもこういうことがずっと続いているのかと思うと、沖縄の現実を余り理解していないことを今更ながら気付かされる。沖縄の苦悩のほんの一部を垣間見て、また、基地移転問題はどうあるべきかに明確な意見を持ち合わせていない自分を振り返って複雑な心境になる。

 17時だが日はまだ十分に高い。朝が遅い分日暮れも遅い。

 232km地点のPC3に到着、チェックタイムは17:02。

 取り敢えずPC1とほぼ同じ地点まで戻って来た。残り距離は100kmちょっと、23時までには那覇のホテルには帰り着けそうな見込みだ。
 軽く補給をして出発する。


 うるま市まであと17km。夕刻になって市街地は再び帰宅ラッシュで交通量が格段に増えた。

 PC2でリアディレーラーを調整したのだが変速のもたつきは相変わらずだ。今回の遠征ではスペアワイヤーを持ってこなかったのでちょっと不安になって来た。

 市街地を走っていたら、今朝見かけて何となく覚えていたサイクルショップの前を通りかかったので入ってみた。ロードバイクの品揃えが充実したなかなかのプロショップでシフトワイヤーはすんなり手に入った。

 できれば切れて欲しくはないが、これで取り敢えずトラブルには対処できるので不安材料は解消された。

 しばらく走ってそう言えばスペアチューブがなかったことに気付いてさっきのショップで買えば良かったと今更思うが遅し。こういう時に機転が利かないとはまだまだ脇が甘いな。

 夜になっても市街地の交通量は多く、ペースが上がらないまま走り続ける。

 273km地点の通過チェックに到着、チェックタイムは19:14。

 軽く休憩をしてスタート。

 走っていたら先程の通過チェックにいた2人のTREK乗りの参加者さんに抜かれた。速度的に同じ様な感じだったがいつもの様に後ろにはつくことなく距離を空けて走る。

 今までは往路を戻る形で走っていたが、往路から分岐して糸満市方面に向かい始めると交通量も減り郊外の雰囲気になってぐっと走り易くなった。

 糸満市に入る。

 318km地点のPC4に到着、チェックタイムは21:30。

 ここで先程の道すがら出会ったTREKの御二人と会話しながら休憩。皆さん那覇で仮眠と言うことで、もう少しで今日のゴールに安堵の表情が見て取れる。那覇市街まで残り距離は20km、1時間ちょっとで取り敢えず今日は終わりだ。

 結構汗を掻いて、脚を攣り掛けていたので遅まきながら塩梅を補給。

 2人を見送ってマイペースで那覇を目指す。
 軽いアップダウンを繰り返すうちに徐々に風景が都会になって来た。

 モノレールの軌道が見えた。那覇市街に入った。
 夜の那覇市街は賑やか。夜遊びの客狙いのタクシーが路肩のあちこちに停車していて走り辛い。でもこの雰囲気が戻って来たという安堵感を醸し出している。

 ホテル直ぐ傍のコンビニに到着、夜食を買ってホテルに向かう。
 ぎりぎり23時前にホテルに戻って来た。部屋に戻って風呂に入ってすっきり。おにぎりを2個食べてようやく落ち着いた。後輪のパンクの後処理がちょっと心配でホテルに戻ったらスペアタイヤ交換しようかと持っていたのだが、予定より仮眠時間が短くなってしまったのでタイヤの空気を入れ直しただけにした。明日はPC5が150km先の北端、クローズ時間が13:32なのでちょっとだけマージンを持って8時間半を走行時間と見積もり、4時半起きの5時とする。バッテリーやビデオカムの充電をセットして、アラームを4:30にセットして0時過ぎに就寝。