5弦ベース

 5日前、夢を見た。
 ひたすらネットオークションや楽器屋を巡って5弦ベースを探し続けるというものだ。探し続ける途中で目が覚めたのだが、感覚的には夢から現実がシームレスに繋がっていて、目覚めた後も5弦ベースを買わなきゃという意識が継続していた。前日まではそんなことを考えたこともなかったし、買わなければならない理由も明確ではないのだが、何故か夢の中で5弦ベースが必要だと思っていてその意識を目覚めた後も明確に持ち続けていた。過去にも夢の中の意識が目覚めた後に継続しているという体験を何度かしているが、ちょっと不思議な事象だ。

 その日の日中、ネットで5弦ベースを探していたら月の小遣い程度で買える出物を見つけ、自らの深層心理の導きに従い注文してしまった。

 で、届いたのがこれ。

 Squierの「Deluxe Jazz Bass V Active」というモデルだ。
 中古だが殆ど使用された形跡がなくてほぼ新品同様のコンディション、俄かで見つけた割にはなかなか良い選択だった。

 ボディーシェイプはジャズベース。この形に慣れているので、5弦もこの形を探した。普通のジャズべよりコントロールノブが多いがそれぞれが何のノブなのか全く分からない。ネットで情報を探さなければ。

 このベースにはアクティブサーキットが搭載されている。電池を入れないと音が出ない。パッシブでは使えない様だ。

 ネックは5弦なので当然幅広だが意外に弾き易い。ギターの様にネックを握るわけではないから、幅広であることがそれ程支障にならないということが実物を触ってみて良く分かった。指板はEbonolという樹脂製で硬い感じ。

 ヘッドはスタンダードなジャズべのシェイプで1弦だけペグが反対側に付いている。他のモデルでは5本のペグが1列に並んでいるものもある。

 ちょこっと弾いてみて、所有しているスタンダードな4弦のジャズべと比べてチョッパーがやり易い。この違いは何かと思ったら、この5弦はネックとボディーの段差が大きいことが作用している様だ。上手い人はこの差が小さい方が良いらしいが、私的にはこの方が良く思える。
 Low-Bを初めて触ったが、ちょっと弦のテンションが緩い感じがして強く弾き過ぎると簡単にビビるのでちょっとコツが要る。テンションを上げる方法もあるらしいので、ちょっとネットで調べてみるかな。

 ベースは4弦ですらまともに弾きこなせないのに、5弦なんて身の程知らずなのは自覚している。どうせ人前で弾くことはないので、家で一人秘かに悦に入れればそれでいい。自転車ロードレースのテレビ観戦中の手遊び用の楽器がまた1本増えた。当分の間はこれで楽しめそうだ。