8/22(水)、30分程休憩の後、11:20にC10/Fromistaを出発。
Fromistaの街を出る。ここから暫くは何もない荒野が続く。
次のPC、C11/Tortoles of Esguevaまでは73km。距離は大したことはないが前半はフラットな荒野、後半は3つの荒野の登りで暑さとの戦いとなる。加えて風向きが悪ければかなりの苦闘を覚悟しなければならない。
既に太陽は天頂近くまでの昇り、いつもの様に強烈な日差しに焼かれる。心拍はLSD前半を限界値としてとにかく運動強度を上げて体温を上げない様に走る。
この酷暑の中、日陰の無い真っ直ぐな道を見ると途方に暮れる。遥か前方に見える風力発電の林の向こうに行かなければならないのだが、全然近付いてこない。
風力発電機が進行方向に向いて回っている。即ち向かい風とういうことだ。ただそれ程強い風ではないので、大きな支障にはなっていないのが幸い。
ルートの分岐点でコース巡回のバイクスタッフが道案内をしていた。数台のバイクスタッフが昼夜を問わずルート上を巡回していて、参加者がそれ程多くないイベントなのに力が入っている。挨拶をして通り過ぎる。
Fromistaから18km地点、真っ直ぐな道のはずなのにナビはVillalacoという街中に入れと指示している。指示通りに枝道に入って街中に入ったが、確か往路では通った覚えがないのでおかしいなと思いつつ街中を抜ける。1kmに満たない街中を抜けて再び幹線道路に戻った。どうやらナビのルートを作成した時に入力ミスがあった様だ。まあ、大した遅れではないし、スペインの田舎のひなびた街を見学できたということで良しとする。
Fromistaを出発してから1時間、早くも暑さでバテて来た。ここまで走って来ての経験から、昼過ぎからの夕方までの暑い時間帯は1時間置き位に日陰で休憩を入れるというのが身に付いて来たので、取り敢えず日陰を探しながら走る。
前方に森の様な所が見えた。あそこで休憩しよう。
Fromistaから30km程走った所の木陰でバイクを停めて休憩する。
アスファルトに腰を下ろすとびっくりする程冷たい!シューズを抜いて痛み始めた両足裏をアスファルトにつけると気持ちが良い。吹き抜ける風も涼しくて無茶苦茶気持が良い。湿度が低いと日陰と日向でこんなにも温度が違うのかと今更ながら驚く。
ちょっと手前で追い抜いた、散歩中と思しき御夫婦が通りかかって「大丈夫か?」と声を掛けてくれたので笑顔で「大丈夫」と答える。きっと見た目には大丈夫に見えなかったんだろうな。
Fromistaから34km地点のTorquemadaの街を通過、往路でも通った石畳の橋を渡る。道幅が狭いので車が並走して抜いていくと接触して川に落ちそうで怖い。
川はなみなみと水を湛え、深い緑色で栄養も豊富そう。一体どんな魚が棲んでいるのかちょっと興味がある。
今朝Cistiernaをスタートしてから既に150kmを過ぎ今日の行程の半分は消化した。あと120km位で今日の仕事は終わりかと思うと精神的なプレッシャーが少なくて済む。
Torquemadaの街を出る。次のPCまでは40km弱。
道の先に風力発電の林が並ぶ尾根が立ちはだかっている。あの壁を越えていかなければならない。
Fromistaから36km地点、往路で見た鉄道陸橋を登り返す。区間の中間地点のこの陸橋を渡り終えると平地モードから山岳モードに切り替わっていく。
緩やかだが長い登りが始まった。風力発電の林に向かって少しずつ登って行く。
既に暑さとの戦いは始まっていたが登り基調になったことで厳しさを増していく。心拍を上げ過ぎない様にじわじわと走る。
真っ直ぐな登りは心理的にキツイ。喉が渇いているのだがボトルの水を飲もうという気にならない。塩分を汗と一緒に体外放出させない様に身体が真水を受け付けなくなっているのに薄々気付いているのだが、飲まないと脱水症状になるので無理矢理飲む。
踊り場的なカーブを曲がっても更に真っ直ぐな登りが続いている。なかなかピークが来ない。標高差はたかだか150mにも満たないはずなのに物凄く登っている気がする。
6km近い登りを何とかこなしてやっとピークに到達。Fromistaから43km地点を通過。直ぐに下りに入る。
暑さでバテて来た。下り終えると街が見えて来た。あそこで休もう。
Baltanasという街に入った。
街中に小さなスーパーがあったので吸い寄せられる様に立ち寄る。助かった、冷たい飲み物にありつけそうだ。
アクエリアスとコーラの同時飲みは恒常化して来た。冷たいアクエリアスの一気飲みは五臓六腑に染み渡る。正に砂漠のオアシスだな。20分程休憩してリスタート。
街を出てちょっと走ったら再び登り基調。さっきと同じで真っ直ぐな登りが延々と続く。
時刻は14時過ぎ、最も暑い時間帯で日陰の無い登り坂を走るのは相当な苦行だが、さっきの休憩の御陰で先程の登りの時よりは多少楽に感じる。
5km近い緩斜面を登り終えてピークに到達。
ピークの先は平坦基調。LSDレンジでも25km/h位の順高速で走れるのは有難い。
Fromistaから58km地点のCevico Naveroという街まで下り、街を出ると同時に再び登りが始まる。これが区間最後の登りのはずだ。
休憩の効果が徐々になくなって来てきつさが徐々に増してくる。あと15km耐えればPCで休むことができる。それだけが励みだ。
ピークが見えた!あそこまで行けば取り敢えずこの区間の登りは終わる。えっちらおっちら登って行く。
坂を終えて平坦基調。真っ直ぐな道をひたすら進む。
道の両脇の畑のひまわりもうつむき加減、皆暑さで参っている様だ。
往路と違って車通りがそこそこある。大きなトラックにそこそこのスピードで追い抜かれてちょっとビビる。
真っ直ぐな道のちょっと先に雲の影ができている。あそこに入りたい!ちょっと踏みを入れるが向こうも逃げてなかなか追い付かない。
しっかりとした雲の影がもう目前。影に入ると本当に涼しい。このまま影の中を走り続けたい。が、ちょっと走ると再び日差しが出てきて涼感タイムは長くは続かない。
道の先に下りの始まりが見えた。あそこを下ればTortoles of Esguevaの街だ。PCまであと2km。
急勾配を一気に下り街中に入った。
PCに到着するとちょっとした御祭り騒ぎ。地元の人達の奏でる陽気な音楽で出迎えを受ける。
991km地点のC11/Tortoles of Esguevaに到着。
街の皆さん、とても楽しそう。出迎えを受けた我々もとてもハッピーな気分になる。
コントロールのバルに入ると往路と同じフードコートがある。ここの食事を楽しみにして走って来たが、まずはブルベカードにチェックを受ける。
チェックタイムは8/22の15:23。予定より1時間早いのでここで長めの休憩を取ることにする。
早速フードコートで朝よりも大きい皿にドカッと盛り付ける。バルの外のテーブルで頂く。トマトやキュウリが旨いウマイ。やっぱりここの食事が一番美味しいな。賑やかな雰囲気の中でゆっくりと食事を楽しみつつ45分程休憩する。