Madrid-Gijon-Madrid1200を走り終えて約半年が経過した。
数日前、Audax Ibericosから封書が届いた。1週間程前にMGMのオフィシャルからメールが来て、スペイン語で多分「メダルとブルベカードを発送した」と書いてあったと思うのだが、こんなに早く届くとは思わなかった。
埼玉県なのか山口県なのかスペインの人には判らなかった様だ。紛らわしい住所ですいません。
早速開封してみると、やはり中身はブルベカードとメダルだった。
このスタンプの一つ一つに素晴らしい風景と苦しかった様々な体感、そしてゴールした時の安堵と感動、更にバルで飲んだビールの旨さがどっと蘇ってくる。
なかなかに精緻で重厚な造りのメダルに感動、手に持ってずっしりとした重量感に所有欲が十二分に満たされる。
ふと気付いたのだが、この2018年のMGMメダルを持っている日本人は1億2千万人の中で私だけ、しかもこの先もこれを手に入れる日本人は現出しないという事実。所詮自己満足な達成感だが、俺の人生が有意義であったという強力な補強のひとつとなった。(所詮人生なんて自己満足なのさ)
これでPBP、LEL、MGMのヨーロッパ3大ブルベのメダルが揃った。ここにもう一つのメダルを是非並べたい。2020年のイタリア”1001Miglia”は当然エントリーするつもりだ。ヨーロッパ4大ブルベ制覇は何としても実現させたい。
オフィシャルのサイトにこんな動画がアップされていた。
この中にちょっとだけ自分の姿が映り込んでいるのを見つけ(34分18秒)、自分が間違いなくそこにいたことを改めて実感した。
苦しさも楽しさも全てがスペインでの素晴らしい体験を形作っている。
Muchas gracias Audax Ibéricos! Muchas gracias España!
あれから半年経って、これらのアイテムを眺めているとまた再びスペインに行きたいという気持ちが出てきていることに気付く。これはあの苦しかった経験が薄れ、楽しかった思い出だけが抽出され長期保存化されていく所謂”記憶の改竄”というやつが進んでいるのかも知れない。そういう面もあるかも知れないが、今MGMをもう一度走るか?と問われれば、まだNoだ。やはりあれはとんでもなくきつかったという結論自体は変わっていない。
臆病で人見知りで旅行嫌いで外国苦手で飛行機嫌いの人間のはずなのに、初めての国でこういうことをやってのけられる原動力が一体何なのか自分でも未だに良く分かっていない。でも一つ言えるのは思考よりも先に行動に移す瞬発力がまだ自分の中に残っているということ。自分の50余年の人生を振り返って「これ俺がやったの?」と理解できない事象が幾つかあるのだが、こういうハードルをクリアできたのは猪突猛進的瞬発力のなせる業だったのではないかと思っている。
この瞬発力がこの先まだ残っていれば次の展開が出てくるかも知れない。今年のブルベシーズンはまだ始まったばかりで、まだPBPの本エントリーすら終わっていない状況だが、既に意識は来年のイタリアに向きつつある。その先のことは良く分からないが、取り敢えずそういう瞬発力が残っていることに期待しよう。あ、そうだ、この瞬発力のことを"force"と呼ぶことにしよう。
May the force be with me!