SR600Kii Mountains Reverse/レポート4:Day 3/宿泊2・吉野->ゴール・泉佐野(106.8km/604.1km)

[目次]

宿泊2/ゲストハウス鍼灸院boschetto->PC14/吉野山コウヤマキの群落(6.9km/504.2km)

 5/4(木)、4時半過ぎに目が覚めた。アラームが鳴るまでまだ1時間以上あるが全然眠れそうにないので起き上がる。睡眠時間は正味4時間といったところで絶対時間は足りないが割とすっきりして普通に動けるのでせっかく目覚めたのなら繰り上げスタートしようと身支度を始める。今朝も気温は一桁でちょっと寒く感じるのでアームウォーマーとニーウォーマーを着ける。朝食代わりにカロリーメイトを食べて荷物をまとめて部屋を出た。

 事前の2泊目の宿設定にはかなり苦労したけれど、布団でちゃんと寝られるという絶対条件が満たされた宿が結果的に確保できて良かった。

 外はそこそこ明るくなっている。最終日の今日も快晴間違いなしで気分上々。

 5時にリスタート。緩々と走り始める。

 東の空が良い感じに朝焼け。昨日に引き続き爽やかな朝の雰囲気を堪能。

 3日目は吉野をスタートして西に進み吉野山と丹生都比売神社と葛城山を経由して泉佐野に戻る107km。

 距離は100kmちょっとと短く獲得標高差もRWGPS表記で2000m位だが最終盤で葛城山の激坂ヒルクライムが待ち構えているので決して楽ではない。SR600KWの時に葛城山から下った時は急勾配過ぎてブレーキをかけても止まれずに滑り落ちそうな程の激坂だったことを良く憶えている。あんな坂を登れるとは到底思えないので押し歩くのに一体どのくらい時間がかかるのか見当がつかない。とにかく安全に確実にゴールすることだけを考えて最終日を走る。

 最初の目的地は7km先のPC14。吉野山に登るが朝一番の脚慣らしといったところか。

 0.3km、県道39号に合流して右折する。

 細い住宅街の中の道を進む。生活道路的なこの道が県道とはちょっと思えない。

 振り返ると朝焼け。朝日はまだ見えない。西向きに進んでいるので朝焼けを見ながら走れないのは残念。

 1.0km、左折して県道37号に乗る。曲がって直ぐに登り開始。

 序盤は緩めでぼちぼち登っていく。

 2.6km、吉野駅を過ぎた辺りから徐々に勾配がきつくなってきた。

 この辺りは国立公園なのか。

 勾配が10%位になって来た。朝一でなかなか歯応えのある坂を登らされてなかなか楽しい。

 勾配はきついが距離が短いのは分かっているのでプレッシャーはない。昨日までの疲労感は薄く痛いところもなく脚はそこそこ回るので今日も問題なく走り切れそうだ。

 6.2km、勾配が緩くなったと思ったら下りになった。どうやらピークを越えた様だ。PCはもう直ぐ。

 6.9km/504.2km地点のPC14に到着、チェックタイムは5/4の5:39。コウヤマキの群落ということだがコウヤマキなるものが一体何なのか全く知らないので見ても分からない。通過証明用の写真を撮って直ぐに出発する。

PC14->PC15/モンベル五條店(20.9km/27.8km/525.1km)

 PCを出て再び吉野山を南に向かって登り始める。次の目的地は21km先のPC15、吉野山を下ったらずっと平坦なので気楽。

 7.3km、ピークを通過して下り始める。

 7.6km、小さなトンネルを抜けて右折方向に下っていく。

 下りながら観光街に入って来た。

 前回SR600KWでここに登ってきた時は日中雨だったが結構な観光客で賑わっていた。今日は早朝で人気もなくとても静かで落ち着いた雰囲気。

 8.6km、参道の前を道なり右に下っていく。この先に巨大な寺院が見えたはずだが改修工事中で足場に覆われていて見えなかった。

 もう少しで日の出。山の端がとても綺麗に浮かび上がる早朝の風景に和む。

 9.1km、山門をくぐって更に下っていく。

 11.2km、吉野神社の前を通過。更に下っていく。

 11.5km、分岐を大淀・川上方面に道なり右にカーブしていく。この先急勾配の下り。

 12.4km、下りを終えて分岐を国道169号方面に左折して再び県道39号に乗る。

 13.2km、左折して県道39号をトレースしていく。

 14.0km、突き当りを道なり左方向に進む。相変わらず住宅街の中の細い県道39号を進んでいく。

 微妙なアップダウンはあるがほぼ平坦な県道39号を進む。道が広くなって走り易くなった。

 並走する川は吉野川。

 18.5km、変則五差路の千石橋南詰交差点を右前方向に進む。

 早朝で車が殆ど走っていない平坦路を順調に進む。今日が最終日で昼過ぎにはゴールしていると考えると物凄く気楽で普段以上にサイクリングが楽しい。こういう精神衛生上とても有益な時間は貴重。

 23.1km、県道39号は道幅が広くなり路面が奇麗になって更に走り易くなった。

 橋を渡って今度は吉野川を左に見ながら進む。PCはもう目前。

 PCが見えた。あっという間な感じ。

 27.8km/525.1km地点のPC15に到着、チェックタイムは5/4の6:40。

 早朝で店はまだ開いていないはずだが2組の家族連れが楽しそうに店の周りを歩いていてちょっと賑やか。通過証明用の写真を撮って直ぐに出発する。

PC15->PC16/丹生都比売神社(30.4km/58.2km/555.5km)

 PCを出て再び県道39号に乗り西に向かって走り始める。次の目的地は30.4km先のPC16。PCのある山の麓までは平坦基調。

 28.4km、栄山橋北詰交差点を平原方面に左折して赤い橋を渡る。

 橋を渡って県道137号をそのまま直進し川沿いから離れる。

 31.8km、野原西6丁目交差点を左折して国道168号に乗る。

 32.6km、丹原町交差点を橋本方面に右折して県道55号に乗る。

 34.1km、Y字路を野迫川・富貴・大深方面に左方向に進み県道55号をトレースしていく。

 36.0km、橋を渡って和歌山県に入った。

 微妙なアップダウンはあるもののほぼ平坦基調を順調に進む。県道55区間は車が少ないので走り易い。

 40.8km、川沿いに出た。吉野川と思いきや紀ノ川だった。

 41.3km、和歌山・高野・九度山に向かって進む。ここから先は国道370号。

 見覚えのあるコンビニの前に来た。ここはSR600KWで休憩ポイントに設定した場所だ。今回の休憩ポイントはPC16をクリアして下ったところに設定してあるが昨夜も今朝もろくに食べていなくてそこそこ空腹感があるので繰り上げでここで休憩することにした。

 42.6km地点の休憩ポイント6.5に到着、チェックタイムは5/4の7:28。

 SR600KWの時に立ち寄った時は日中だったが雨が降っていてどんよりと曇っていたのを覚えている。ちょっと懐かしい。

 総菜パン2個とピルクルでしっかりと補給。空腹だったので相当美味しく感じる。昨夜から12時間振りのまともな補給でちょっと幸せ。気温が上がって来たのでここでアームウォーマーとニーウォーマーを外す。15分程の休憩の後出発。

 休憩ポイントを出て再び県道370号に乗り西に向かって走り出す。改めてでPC16を目指す。残り距離は16km弱。

 45.2km、学文路交差点を和歌山・高野方面に左折して国道370号をトレースしていく。一昨日行ったPC4高野山は24km先なのか。印象的には一昨日の出来事なので遠いところの気がするが位置関係がよく呑み込めない。

 46.0km、九度山町に入った。

 46.9km、変則五差路の九度山交差点を和歌山・国道24号方面に右前方向に進んで国道370号を離れ県道13号に乗る。

 47.6km、丹生橋東詰交差点を和歌山・かつらぎ方面に左折して県道4号に乗って小さな橋を渡る。橋を渡り終えた直後を右折。

 50.2km、かつらぎ町に入った。再び紀ノ川沿いを進む。

 51.6km、天野方面に左折して県道109号に乗る。

 曲がって直ぐに登りが始まった。いよいよここからPC16への登り開始か。距離5km、平均勾配8.5%のなかなか強力なヒルクライム。登り始めた背後から「頑張ってー」という女性の声が聞こえた気がしたのだが、もしかして俺に対して誰か声をかけてくれたのだろうか。

 序盤からいきなり10%超の激坂になった。SR600KWの時に下った時はその前の葛城山が強烈過ぎてそんなに印象になかったのだがここも十分キツイ。

 勾配はきついが路面が綺麗でそこそこ曲がりくねっているので何とか食らいついて登っていくことができる。

 52.7km、進むうちに勾配が更に上がって15%位になって来た。ダンシングを多用しつつじわじわと登っていく。

 上を見上げてまだ坂が続いているのを見るのはなかなかキツイ。視覚的破壊力は抜群。でもまだ戦闘意欲はあるのでそこそこ楽しい。

 54.1km、下界が見下ろせる所に出た。一気に高い所まで登って来た。

 高野山?この山は高野山なのか?何でもいいや、とにかく登ろう。

 56kmを過ぎて勾配が緩んできた。ピークは近いか?

  57.0km、やっとのことでピークに到達。何とか足付き無しで凌ぎ切ってホッとしながら下っていく。

 曲がりくねった下りを快調に下っていく。登りで掻いた汗が冷やされて気持ちが良い。PCはもう直ぐ。

 58.2km、ここを左折すればPCだ。

 58.2km/555.5km地点のPC16に到着、チェックタイムは5/4の9:13。

 SR600KWの時はこの場所が直ぐに分からず辺りをうろうろしてしまったが、今回はきちんと場所を記憶していたので迷わず辿り着いた。ここは観光客も殆どいなくて静か。通過証明用の写真を撮って直ぐに出発する。

PC16->PC17/葛城山(25.0km/83.2km/580.5km)

 PCを出て元来た道を戻って県道109号を今度は左方向に進む。次の目的地は25km先のPC17。いよいよ最後のPCとなるが、同時に激坂ヒルクライム必至のこのコースの最終決戦の場となる。イメージ的には既に敗色濃厚だがとにかく越えていかなければゴールには辿り着けない。

 県道109号を西に向かって進む。ちょっと平坦基調で後は一旦下界に下るはず。

 59.2km、Y字路を県道24号方面に右方向に進む。

 長閑な田園風景の中を進むうちに登り基調になって来た。

 60.4km、トンネルに差し掛かる。恐らくここがピークでここを抜けると下りになるはず。

 トンネルを抜けてやはり下りになった。

 徐々に急勾配になって来てブレーキ掛けっ放しで慎重に下っていく。

 この坂も急勾配の連続で登るのはかなりキツイはず。SR600KWの時の印象が薄いのはやはりその前の葛城山のキツさにかき消されてしまったのだろう。

 63.2km、あっという間に下って来て国道480号に合流、右折して更に下っていく。

 国道480号を更に下っていく。相変わらず急勾配だが道が広くなった分多少下り易くなった感じがする。

 それにしてもこの丹生都比売神社への登りはSR600KWもSR600KRもどっちもキツイ。葛城山に気を取られてしまい完全にノーマークだった。

 67.0km、東渋田交差点を和歌山方面に左折して県道13号に乗る。この交差点の左手前角のコンビニを休憩ポイントに設定していたがさっき前倒しで休憩して空腹感はないので素通りして一気に最終PCを目指す。

 再び紀ノ川沿いの平坦な県道13号を進む。あと一つ山越えはあるもののゴールまで残り40kmを切った。確実に終わりが近付いている。

 信号待ちで止まって道端を見たら草花が咲いているのを見て春らしい和みをもらった。花の名前は知らない。

 69.8km、紀の川市に入った。

 70.9km、国道24号方面に右折して県道120号に乗る。

 曲がって直ぐに紀ノ川を渡る。

 橋を渡っている途中でナビの電源が切れたので橋を渡り終えた直後に止まってナビの電池を交換する。

 71.7km、国道24号を横切って中尾方面に直進。ここから先は県道127号になる。

 県道127号に乗って直ぐに登り基調になった。緩やかで真っ直ぐな登りをぼちぼち進んでいく。

 74.3km、進むうちに徐々に勾配がきつくなってきた。いよいよか?標高840mまで登る10km弱のヒルクライム開始。

 勾配が10%になってきた。さてそろそろ覚悟を決めなければならない。

 76.0km、集落を抜けて10%が固定化されてきた。

 真っ直ぐな10%超がなかなかエグイ。視覚的破壊力は抜群。

 目の前に山が正に立ちはだかる。もう見るからに急勾配は必至という感じ。ダンシングを連発して何とか食らいついて登っていく。後ろから一人のサイクリストがやって来て追い抜いて行った。

 77kmを過ぎて舗装がコンクリートになり勾配が更にきつくなって15%を超えてきた。これはキツイ。前を行くサイクリストが踏ん張って登っていくのを見上げつつこっちも踏ん張って登っていく。もうスピードは5km/hも出ない感じでハンドルがふらつくのを必死で抑え込む。

 500m程踏ん張って登ったが遂に力尽きて足を着いた。もう無理。

 もうこのままバイクを押し歩くしかない。一息ついて歩き始める。悔しさはない。今の実力がこうなんだと案外すんなり認められる自分にちょっと驚いている。いや、悔しさがないというのはもうそろそろ自転車に対するモチベーションがなくなってきたのかな?とちょっと寂しい気持ちがよぎる。

 振り返るとちょっとよろめいたら転げ落ちそうな急坂が下まで続いている。よくこんなところを登って来たよな。

 78.2km、カーブまで上がってきたら勾配がちょっと緩んだので再び乗り始める。

 78.6km、天空の村に入って来た。SR600KWの時、ブレーキをロックしても止まり切れずに落ちそうになった超激坂区間は多分ここから。

 15%位の坂を止まりそうになりながら何とか登っていくが足を着くのはもう時間の問題。

 更に進むと20%近い勾配になってなすすべなく足を着く。バイクを押し上げるのが辛い。農家の人達が談笑している傍をこそこそと通り過ぎていく。

 79.6km、見上げる様な激坂がまだまだ続く。頂上まではまだ3km以上ある。一体頂上まで辿り着くのにどれ位の時間がかかるのか見当もつかない。

 79.8km、天空の村はここで終わり。結局村の中を殆ど押し歩いた。嫌だね、二度と来ない。

 天空の村を過ぎたら勾配が緩んだので再びバイクに乗って進み始める。

 10%以下の勾配が滅茶苦茶緩く感じる。

 81.5km、このまま緩くなって終わりかと思いきや、再びコンクリート舗装の15%位の激坂が出てきた。最後まで楽をさせてくれない。必死に食らいついて登っていく。

 82.4km、10%超の坂がまだ続いているが空が開けて頂上らしきものが見えてきた。距離的にも1kmを切ったのでここが踏ん張りどころ。最後の力を振り絞って登っていく。

 標高も800mを越えた。PCまではあと600m位、もう一踏ん張り。

 頂上の駐車場が見えた。なんとかかんとか登り切った。

 83.2km/580.5km地点のPC17に到着、チェックタイムは5/4の11:46。指定された木碑がなくなっていたのでその横の展望台への登り階段を通過証明用の写真として撮っておく。

 いやあしんどかった。10km弱の登りで1時間半もかかってしまった。いや、1時間半で良く収まったと言うべきか。ここには数人のサイクリストがいた。ここまで登って来る酔狂な人は他にもいたか。

 頂上から周囲の眺望を見回す。この開放感が爽快。きつかったし足を何度も着いてしまったけれどとにかく登り切ったことには満足。これでこのSR600の全ての山をクリアして達成感が湧いてきた。後は無事にゴールするだけだ。

PC17->ゴール/セブンイレブンりんくう松原店(23.6km/106.8km/604.1km)

 PCを出発して西に向かって走り出す。ゴールまでは23.6km、半分位は下りなので気楽ではあるが下りで落車したりしない様に気を引き締め直してとにかく安全に確実にゴールすることだけを考える。

 2km位下ったら一旦平坦になった。ちょっと拍子抜け。でもまだ位置エネルギーはたっぷり溜まっているからこの先確実に放出することになる。

 86.4km、貝塚方面に直進する。ちょっと進んだら下りが始まった。

 -10%を超える急勾配で道は細く路面は結構荒れたかなりシビアなダウンヒルを慎重に下っていく。この坂も上りの遅れは全く取り戻せない。こんな細い道でも前から車が上がって来るので細心の注意を払う。

 途中で倒木が道に倒れ掛かっている所が何か所も出て来る。雨で地盤が緩んでいる時にここを走るのはかなり恐怖だ。

 -15%を超える急峻な下りが出てきてブレーキコントロールが難しい。SR600KWの時にこの坂をリア25Tでよく足付き無しで登り切ったなと自分を褒めたい。

 91.4km、醜悪な落書きが酷いトンネルを抜けていく。

 そこそこ下ってきたはずだがまだ山の中。この先まだまだ下れると思うとかなり嬉しい。

 94.3km、九十九折の激坂ダウンヒル区間を無事にクリアして県道62号に突き当り右折。もちろん気を付けて帰りますよー。

 シビアな林道を無事に抜けて全身の緊張が解けた。下りはまだ続く。

 そろそろこの緑の山の風景も見納めか。

 県道62号を順調に下っていく。ゴールまではあと10km。

 98.0km、ゴールまで下っていけるかと思いきや登りが出てきた。

 登ってみると両脚にさっきの葛城山ヒルクライムのダメージがしっかり残っていて結構辛い。この真っすぐな登りが視覚的に滅茶苦茶きつく感じる。

 98.7km、何とか登り切ってピークを通過。再び下りに入っていく。

 完全に山間部を抜けてぼちぼち市街地に入っていく。もう直ぐこの旅も終わるのかと何となく名残惜しい気持ちがちょっとだけ湧いてきた。

 泉佐野市街まであと4km、ひたすら真っすぐ進んでいく。

 104.0km、佐野市街に入って来た。車と信号が多くなり一気にペースダウン。でももうゴールは目前で時間内完走は間違いないので焦る必要は全くない。

 104.6km、栄町交差点を和歌山方面に左折して県道204号に乗る。

 曲がって直ぐに泉佐野駅の傍を通過、右側に3日前に泊まったホテルが見える。スタート地点に戻って来たことを実感する。

 スタートしてちょうど8時間が経過。マージンを見てスタートしたつもりだったが結局マージン無しの走行時間になってしまった。もし当初予定の6時半スタートだったら飛行機のチェックインがちょっと危うかった。5時スタートは結果オーライということか。

 105.3km、大西二丁目交差点を右折。

 105.8km、左折してりんくうタウンに向かう。

 りんくうタウンが見えてきた。もう完走は間違いない。ウイニングランモードで達成感と満足感に浸りながら走る。

 ゴールが見えた。無事に終わったよ。

 無事ゴール。ゴールタイムは13:11、完走時間は55時間11分だった。

 とにかく無事にここに戻ってくることができて本当に良かった。

 取り敢えずコーラで完走を祝いつつ酷使した身体にエネルギーを供給する。今回の遠征はゴールデンウィーク後半の休日日数を稼ぐために後泊なしのスケジュールにしたが、ゴールしてみるとやはりビールで打ち上げをしたかったなという思いが湧いてきた。スケジュールは今更変更できないので一休みして撤退モードに移行する。

ゴール後

 撤退開始。ゴールを離れて直ぐ傍のりんくうタウン駅に向かう。まずはコインロッカーに預けた荷物を回収する。

 駅ビル内のコインロッカーに到着。今度は迷わなかった。

 鍵を差し込んで追加料金を入れて鍵を回そうと思ったらエラーになって開かない。一体何が起こったのか理解できずに茫然としてしまったが、気を取り直して辺りを見回し緊急連絡先の電話番号を見つけて電話して状況を伝えると、ビルの管理センターから直ぐに人を派遣するから待ってくれとのこと。

 待つこと10分。管理センターの人が来て無事に開けてもらえた。荷物を回収できてほっとした。

 初日に余計に500円払ってしまったりエラーで開かなくなるしこのコインロッカーにはしてやられた。 

 20分程でバイクパッキング完了。次は近場のトイレに行って着替える。

 着替えを完了して駅に入って関空行きの電車を待つ。ジーンズが緩々、この3日間で相当絞り込まれた様だ。

 電車は直ぐに来た。関空までは10分かからない。近いね。

 14:20に関空到着。結構混雑している。これはもしかしたら輪行袋預け入れは時間がかかるかもしれない。

 予想に反して行列はなかった。カウンターまで直ぐに辿り着いたが、輪行袋を別の場所の検査器に係員が通すまで待っててくれと言われたのでしばし待つ。10分程待って問題なかったと言われて無事預け入れは完了した。関空はこういうシステムだったっけ?

 輪行袋を預けて身軽になって何か美味しいものを食べて簡易打ち上げをやろうかと思ったが関空には大した店がなくてがっかり。時間も余りないのでフードコートのような場所でラーメンと餃子で打ち上げ。空腹感は絶大なのでとても美味しいのだが絶対的に量が足りない。

 手早く食事を終えて搭乗口に来たのが15時半過ぎ。結構ギリギリだった。と思ったら使用機材の到着遅れで10分程ディレイのアナウンスが入った。

 10分遅れでようやく登場が始まった。

 こうやって見ると関空は物凄く横長だ。羽田以上に歩く距離が長い気がするのは気のせいか?

 羽田便はほぼ満席。もう今更コロナ感染を心配してもどうしようもないレベルなので気にしない。

 結局15分位遅れて離陸。

 1時間弱であっという間に東京上空に到達。

 17:25に羽田着。今日の羽田は南風運用で北からの着陸で、風が強くて着陸寸前まで機体が振られてランディング時にバウンドしたのには久々にびびった。無事に着陸できて本当に良かった。

 いつものことだが到着ロビーに向かって歩いている間にあっという間に日常に引き戻される。リムジンバスに乗れなかった場合に鉄道を乗り継いで帰ることを考えるとかなり憂鬱。

 今乗って来た機体。いやあ、なかなかスリリングだったが、もう二度とごめんだ。

 手荷物返却口に着いたらもう輪行袋が出てきていた。最近は出て来るのが早くなって助かる。

 急いでリムジンバスのチケット売り場に行って首尾良く18:05発の便の席をゲット。リムジンバスで地元近くまで帰れるのは本当に楽。

 バス乗り場でしばし待つ。東京は生暖かい風が強い。

 定刻通り乗車。バスの乗車率は5割位かと思ったら次の第1ターミナルでたくさん乗って来てほぼ満員。

 首都高は渋滞は全くなくすんなりと通過。荒川の夕暮れが美しい。

 19:28所沢駅に到着。結局首都高も外環も渋滞なしであっという間に所沢インターを降りた。予想外に早く着いて本当に有り難い。やはりリムジンバスは最高だ。

 所沢駅で輪行解除して自走で自宅に向かう。

 20:10帰宅。これにて関西遠征は終了。

 

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総括

 ゴール翌日は起きたら下半身に強い疲労感。特に腰と尻が酷かった。まああれだけ激坂を踏み倒したらそうなるなと納得の疲れが頑張った証の様でとても心地良かった。スタート直後からアタック二本松で出た痛みを引き摺っている様な右膝の痛みが出てこれはヤバいかなと思ったけれど走るうちに消えてその後も痛みは全くなかったので一安心。

 SR600紀伊山地リバース、55時間11分で無事完走。2年前に走ったSR600京都が余りにきつ過ぎて悪い印象しかなくて、もう俺にはSR600を完走する走力はないのではと思っていたけれど、思い切ってチャレンジしてみたら3日間とも晴れて気温もそれ程高くならず文句なしのサイクリングコンディションの中で楽しむことができた。勿論要所要所で凄くきつい思いをしたし走り終えて身体はかなりボロボロだけれど楽しかった好印象が残ったしSR600はコースを選べばもうちょっと続けられるかもという前向きな希望が残ったブルベになった。

 コースについて、全体的に見れば獲得標高差は他のSR600と比較して控えめだし極端に高い山もないので難易度は低めだと思う。市街地走行は泉佐野-和歌山間がそこそこあるもののそれ以外は車も信号も少ないストレスのない道の連続でサイクリングコースとしては申し分のない道だった。そして発着地点が関空の直ぐ傍ということで遠征する人間にとっては非常に都合が良く参加し易いコースだということが言える。

 これはそのままSR600紀伊山地にも当て嵌まるが、逆回りにすることでニュアンスが変わる部分があるということが実際に走ってみてわかった。まず、スタート直後から海南市までの60km程の市街地走行だが、SR600KWの時は昼間に通ったのでかなり混雑していてそこそこストレスのあった平地区間になったのだが今回は早朝からのスタートだったので混雑はなくストレスを殆ど感じることなく通過できたのは良かった。本宮・那智勝浦間の88km~93kmの県道45号区間のグラベル区間がなくなって路面がそこそこ綺麗になっていて走り易くなっていたのは良かった。最終PCの葛城山は滅茶苦茶きつかった。途中の天空の村の中は全く歯が立たなくて殆ど押し歩いた。ここがこのコースで一番の激坂だと思われるが、葛城山を泉佐野側から登れば激坂ではあるものの何とか足を着かずに登れるのでここはSR600KWの方が有利だ。

 2泊3日の旅程で比較すると私の場合はSR600KWは1日目那智勝浦まで行って2日目は野迫川までだったので護摩壇山越えが夜になってしまったのだが、今回は1日目が川湯温泉で2日目が吉野という行程だったので全てのPCを明るいうちにクリア(PC7はちょっと危うかったが)することができた。そしてSR600KWもSR600KRも仮眠宿には全て23時までには到着することができて睡眠時間は4~6時間を常に確保できたので、結果として無理のない走行プランとなった。

 敢えてSR600KWとSR600KRの走り易さを比べるとすれば今回は天候に恵まれたということもあるがやはり泉佐野から和歌山までの市街地走行をストレスなくこなすことができたSR600KRの方が私的には好みだ。

 SR600KRを完走できたのでこれでSR600完走は通算7本目。ここまで来たら10種10本を狙うしかないかな。北海道と熊本は是非走りたいのであと1本はどこにしようかこれからじっくり考えよう。

 

 さて、次のブルベはAJ群馬さんのBRM604群馬200はじめての200kmブルベ。AJ群馬さんの定番ブルベだが初心にかえって丁寧に走って確実な完走を目指す。次回詳報の予定。