SR600Shikotsu Toya/レポート1:スタート前日まで

 7月も下旬に入って梅雨もいつの間にか明けていて連日35℃を超える晴天酷暑が続いている。先週末は400kmブルベ100周年の記念イベントを走行中に左膝に痛みが出て何とか完走したもののPBPまで1か月を切ってこれは極めて拙い状況になったと今日まで自転車通勤を自粛し回復に努めている。取り敢えず歩いたり階段を上り下りしても痛みが出なくなったので状況は改善しているものと思われるが、先々週にSR600を走った時は何ともなかったのに間をおいて突然痛み出したというのが嫌な感じだ。とにかく今週は自転車通勤を完全に止めて今週末にちょっとだけ乗ってみて具合を確認するつもりだ。SR600の走行レポートも溜めたままなのでこっちも早く手を付けないとフランスに行く前に全てを書き終えられなくなる。記憶もどんどん失われていくので急がなければ。

 そんなわけでSR600支笏洞爺の走行レポートを書き始める。

 

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 今年のゴールデンウィークにSR600紀伊山地リバースを走り終えて次はどこを走ろうかと直ぐに考え始めた。SR600の10種10本を達成しようと思えば年齢的にどんどん登坂能力が衰えてきているので時間との勝負、今年のうちにもう1本走っておきたいと思いスケジュールとコースを両にらみで検討を重ねた。当初のスケジュールでは7月に714北海道1000を走るつもりで休暇を設定していたのだがこれをSR600支笏洞爺に置き換えるというアイディアを思い付いた。

 SR600支笏洞爺はAJ北海道さん主催のSR600で札幌近郊の琴似発着で道央部分を走るコースでその名の通り洞爺湖と支笏湖も通過する。

 獲得標高差は11200mと数値的には標準的に見えるが1000m越えの山はないもののそれなりに勾配のあるたくさんの峠をこなさなければならないので簡単ではなさそう。制限時間が60時間とはいえ距離が600kmを超えて17kmも長いというのは誤差と片付けられる程短くはない。それにPCの設定がコース分岐して折り返しで戻って来るところが多いのもこのコースの特徴なのでミスコースに注意しなければならない。北海道の道の走り易さを考慮してもそれなりの覚悟が必要なコースに見受けられる。

 北海道のSR600は走行期間が短いので夏の間に走っておかなければならない。元々北海道遠征のつもりだったから切り替えも容易なので早速走行プランの検討に入った。いつもの通り2泊3日で60時間を目一杯使って走るつもりで仮眠宿を設定しようとしたがなかなかうまくいかず、最終的には初日に無理をする配分になったものの何とか形になったのでエントリーすることにした。

 走行プランはこんな感じ。

 1日目は琴似をスタートして定山渓、小樽、留寿都、ニセコを経由しつつ岩内まで行く285km。獲得標高差も5700mあって初日から全行程の約半分をこなすというきつい設定になってしまったが、仮眠宿の都合でこうせざるを得なかった。勝負所は終盤のニセコ辺りの山岳地帯か。厳しい設定ではあるが私の実力でもぎりぎりこなせるのではないかと楽観的に考える。

 2日目は岩内を出発して南下して洞爺湖、伊達、登別を経由して白老まで行く200km。獲得標高差は3800mと前日に比べれば少なく見えるがそれ程楽ではなさそう。勝負所は序盤の新見峠と終盤のオロフレ峠か。いずれにしても距離が200kmなので前日に比べれは早く仮眠宿に入れそうなのでちょっと気楽。

 3日目は白老を出発して北上、ホロホロ峠、支笏湖を経由して琴似に戻る137km。獲得標高差も1800m弱で大騒ぎする程残ってはいない。2日目までを無難にこなすことができれば最終日は余裕を持って走れるはず。

 総じてとにかく初日勝負の走行プランが完成した。後は天気次第だが、1週間前の予報は7/14~16は全行程で雨予報でこれは最悪を想定しなければらないかと戦々恐々だったが少しずつ改善方向に向かって前日までには2日目のみ雨予報まで持ち直した。後は現場に行って確かめるしかないか。

 

 7/13(木)、今日から有給休暇3日を含む6連休がスタート。今日は移動日、前日までにバイクパッキングは終わらせているが携行品のパッキングはまだなので朝起きてからぼちぼち準備をする。残念ながら雨予報は残ってしまったのでレインウェア上下と泥除けは持って行かざるを得ない。11時に自宅を出発、徒歩で最寄り駅に向かう。今回も丁度良い時間にリムジンバスはないので鉄道を乗り継いで羽田空港に行かなければならない。それにしても暑い。ちょっと歩いただけで汗だくになる。最寄り駅までの1kmが果てしなく遠い。

 最寄り駅に着いたら電車が直ぐ来たので飛び乗った。車内はガラガラで輪行袋は気兼ねなく持ち込めた。

 池袋から山手線に乗ったら端の車両でもかなり混んでいて肩身の狭い思いをしながら品川駅に着くのをひたすら待つ。

 品川で京急に乗り換え。京急は空いていたので問題なし。

 13:20に羽田空港第2ターミナルに到着。

 まずは輪行袋の預け入れ。保安検査場Aの傍の大型手荷物カウンターに行く。今日は平日だが結構並んでいる。

 並んでみると列がスイスイ進んで直ぐに順番が回ってきた。輪行袋の中の確認も係員が直ぐに来て簡潔で済んだので10分程で終わった。

 想定外に早く輪行袋を預けられたのでそこそこ時間が余った。どこかで腰を落ち着けて昼ご飯を食べようかと思ったがロビーの案内表示を見てピンと来る店がなかったのでさっさと搭乗口に行くことにした。

 新しい検査システムの入った保安検査場AはPCをバッグから出さずに済むので楽で良い。

 搭乗口に来て近くの自販機でパンとジュースを買っていい加減な昼食。これから旅行に行こうというのにこの粗食は一体何だと自分に問いかけてみるが売店の弁当やらはどうにも高くてコストパフォーマンスが悪いので私の経済観念が許してくれない。

 パンをもさもさ食べながら登場開始を待つ。あと1時間。

 14:40、登場開始。

 後部窓際のシートに座る。このたくさんのワンボックスカーはどういう役割なのだろう。

 搭乗率はほぼ100%。一応マスクはしているが、感染の覚悟は相応にしておかなければなるまい。

 定刻に離陸して一路札幌へ向かう。

 ひと眠りしたらあっという間に新千歳空港に着陸。16:30着は定刻通り。飛行機を後ろから見るとなかなかカッコ良い。

 新千歳は雲は多いが青空が見える。

 まずは輪行袋の受け取り。

 ターンテーブル横の職員通用口から出てくると睨んで張り込む。

 予想通りここから出てきたので即受け取り。

 輪行袋を抱えてJR線の駅に向かう。

 ホームに降りるとちょうど小樽行きのエアポート快速が来ていたので乗り込む。

 車内は空いていたので輪行袋の置き場所も無事に確保できた。

 このまますんなりと札幌まで行けるかと思いきや、北広島の駅でたくさんの客が乗って来て満員状態になって驚いた。今までこんなに混んだことはないので何事かと思ったら日ハムのユニフォームを着た人が結構いるのでもしかしたら日ハムの新球場で試合が終わった後の帰りのラッシュに当たったということか。それにしても平日にデイゲームをやるというのもちょっと解せない感じだが最近はそういうものなのだろうか。

 40分程で札幌駅に到着。

 改札を出て駅ビルのロビーを歩いていたら何故かトヨタ2000GTが展示されていたので思わず写真に撮る。

 17:45に札幌に到着。東京に比べれは気温は明らかに低いけれど結構蒸し暑く感じる。駅から500m南に下ったホテルに徒歩で向かう。

 18時前にホテルに到着。ここに泊まるのは今回が初めて。

 チェックインして部屋に入ってホッと一息。移動時間はDoor to Doorで7時間。

 座る前に輪行解除して一気にバイクを組み立てる。30分程でバイクを組み立て必要装備を全て装着した。ざっと見て破損個所もなく一安心。PCを取り出してホテルのwifiに問題なく繋がることを確認。取り敢えずやるべきことを終えて風呂に入る前に夕食と明日の朝食を買いに出る。

 札幌の夕暮れはいい感じ。何となく旅行気分が出てきてこのまま飲みに行きたくなったのをぐっと我慢してホテルの隣のコンビニで買い物をして直ぐに部屋に戻る。

 食事の前に風呂に入る。浴槽に湯を溜めてのんびり浸かって移動の疲れを癒す。

 風呂から上がってすっきりして夕食を摂る。せっかく札幌にいるのにコンビニ飯は何とも味気ないが全ては走り終えてからということでぐっと我慢。

 食事を終えて落ち着いた。取り敢えず移動日の今日はミスなくトラブルなく順調に終えられてよかった。PCで明日からのコースの最終チェックでRWGPSを見ながら頭の中で走行イメージを描く。天気予報はやはり2日目は終日雨予報から変わることはなかった。まあ初日の一番厳しいステージで降られなければ御の字というところか。明日は6時スタートなので5時起床ということでアラームを5時にセットして、PCを眺めていたら眠くなってきたのでそのままベッドに入る。消灯時間は22時前。