BRM617東京300を走り終えて数日後、ふとブルベ用のメインのナビであるetrex30xを見たらLCDに黒い横線が入っているのに気が付いた。
これは見るからにLCDパネルが劣化故障している。このetrex30xは確か4年程前に中古で買ったもので、それ以来ずっとブルベで使い続けていたので寿命が来たと言えなくもない。こうなったらLCDパネルを交換するしかないのだが取り敢えずこのままで使えるかどうか電源を入れて画面表示を確認してみる。
まあ画面のほんの一部分が欠けるだけなのでこのまま使えなくはないのだが、走行中に画面を見る度に憂鬱になるし、この先症状が進行して表示不能部分が広がっていくものと思われるのでこの際LCDパネルを交換することにした。自力修理を前提にスペアパーツ探しを開始。ネットでいろいろと調べて回るとetrex20,30用の解像度の低いLCDパネルは比較的容易に見つかるのだがetrex20x,30x用のLCDパネルはなかなか見つからない。国内は全く見つからなくてebayとaliexpressを探し回ってやっと見つけたので早速注文。
7月に入ってやっと届いた。ちなみにパーツナンバーはTM022HDHT8（FPCにシルク印刷されている）でネット上の実売価格は10000円前後。安くない。ちなみにetrex20,30用のLCDパネルのパーツナンバーはWD-F1722YMで実売価格3000円弱という感じなので間違えてはいけない。
早速交換作業を開始。
注意：ユーザーで分解するとメーカー保証外になるし故障する可能性が高いので全ては自己責任で。当方は下記内容を一切保証しないし責任も負わない。
まず背面のバッテリーカバーを外し、6か所のネジをトルクスドライバーの6番を使って外すとバックカバーが外れる。
バックカバーを外すとPCBAが見えてくる。ネジ止め個所は中央上部の1か所のみ。これをトルクスドライバーの5番で外すとPCBAがフリーになる。しかしこれですんなりとは外れてくれない。PCBA上のジョイスティックがフロントカバーのラバーグリップに差し込まれているのでそれを意識しつつ精密ドライバーのマイナス等でPCBAの縁の複数の個所を少しずつ持ち上げる様にしてじわじわと外していく。ジョイスティックがフロントカバーから抜けたところでスルっとPCBAが外れる。外したフロントカバーに埃が入ると組立て直した後画面内側に埃が付いて後でイライラすることになるので極力埃が入らない様に置いておく。ちなみにetrex用の外装部品もネット上で見かけたので、etrexでよくある電源スイッチの穴開きもフロントカバー交換で復旧できる。
PCBAを外してひっくり返すとLCDパネルユニットが一体化した状態になっている。LCDパネルユニットは4か所の突起がPCBに刺さっているだけでネジ止めや接着はされていないので簡単に外れる。強く引っ張ってFPCを切ったりFPCコネクタを破壊したりしない様に慎重に外す。
LCDパネルユニットを外すとFPCが挿入されているFPCコネクタが出てくる。FPCコネクタの前面の黒く細長い部分がFPC抜け防止のストッパーなのでこれをFPC側に押し出すとFPCの固定が解除されて簡単に抜ける。力任せにやるとコネクタが壊れたりFPCが切れたりするので慎重に行う。
摘出したLCDパネルと交換用のLCDパネル。新しいLCDパネルユニットの取り付けは分解手順の逆をやるだけ。筐体内に埃を残さずLCDパネルに指紋や汚れを付けない様に細心の注意を払いつつ組み立てる。もう一つの注意点はバックカバーのバッテリー端子の電極はPCBAのランドに押し付けられているだけなのでバックカバーのネジ止めが緩いと接触不良を起こして電源が入らない。締め過ぎに注意しつつもしっかりと締める。
作業完了して電源を入れるとばっちり直っていた。自力再生が上手くいって気分スッキリ。修理すること自体もしっかりと楽しむことができて満足感は非常に高い。
実は当初交換用のLCDパネルがなかなか見つからなかったので、もう直ぐPBPということもあって急ぎetrex32xの新古品を調達してしまった。今まではメイン30xバックアップ20xで運用していたのだが図らずも32xが加わって3台体制となった。
私的にナビにetrexを使い始めて7年位経つ。古い設計で最新のナビに比べれば性能も機能も劣るだろうが、何の不都合もなく使えている。少々乱暴に取り扱っても誤動作はほぼないし、単3電池が使えて最新の高容量エネループを使えば1回の電池交換で600kmブルベをこなすことができる。私的にナビに求めるこれ以上の機能・性能を現時点では思いつかない。もしetrexから別のナビに変えるとすればバッテリー持続時間が飛躍的に伸びること位だろうか。
このままetrexと共にブルベ人生を全うしそうな気がする。
