2018BRM713北海道1000/レポート1:スタート前日まで

 8月に入った。後2週間後にはスペインにいるはずなのだが、準備は進んでいる様で進んでいなくて徐々に焦り始めている。スペインに行く前に北海道1000の走行レポートも完結させておかなければならず、こちらも何気にプレッシャーがかかっている。とにかく書き始めなければ。

 

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 今年のメインイベントはまずは8/19スタートのスペインのMGM1200、その次が我がオダ埼清水班のBRM1005埼玉1000ということでシーズン当初のスケジュール見通しの段階ではBRM713北海道1000を走るつもりはなかった。その後、MGM1200に無事エントリーが完了してオフィシャルに参加者要綱がアップされ、また、参加者ページが開設されてから初めてMGM1200がPBPの様に開催年に規定のBRMの完走認定を得ておくという参加資格があることが判明した。参加者要綱には200km、300km、400km、600kmと書いてある様なのだが、参加者ページには200km、300km、400km、600km、1000kmの5つの登録欄が用意されている。多分要綱の記述の通り200~600kmの4つの認定で大丈夫だと思われるのだが、万全を期すという意味で1000kmも走っておこうと考えた。登録期限は7/31までなのでそうなると、AJ岡山の5/11と6/8(岡山は今年は1000kmを4本開催するというのが凄過ぎる)、AJ北海道の7/13の三択となる。岡山の5/11は2013年に走ったBRM713岡山1000と同じコースで相当きつい山岳コース、6/8は5/11の更に上を行く無茶苦茶な山岳コースだということが判明し早々に諦めた。そうなると北海道の一択だが、7/13だと日程的に認定番号が間に合うかどうかリスキーだし遠征費用がかさむのが難点だが、超長距離ブルベを走るならば北海道が最適であることは論を待たないので最終的に2月にエントリーを決断した。
 BRM713北海道1000のコースレイアウトは下記の通り。

 札幌をスタートして内陸部を進み、名寄から興部で海沿いに出て、紋別経由で網走から再び内陸部に入り、陸別を通過して帯広、襟裳岬まで南下して海沿いを進み、むかわ町から北上して再び札幌に戻って来る。

 大きな山越えはないが細かいアップダウンを寄せ集めると獲得標高差は7500m程になる。断片的に過去走ったことのある区間も幾つかあるのでイメージし易い。

 エントリー完了後、まずは大雑把に走行プランを考えて仮眠ホテルの押さえに入る。基本1000kmは制限時間75時間を目一杯使って3泊4日で組み立てるが、朝7:00スタートだとゴールクロースが10:00なので日中走って夜は寝るという普段の生活サイクルを極力崩さないという条件も加味して、300+300+300+100でコース上の仮眠ポイントを探していく。1泊目は315km地点の紋別、2泊目は650km地点の帯広というのは割と早い段階で固まった。紋別では簡単にホテルの予約ができたが帯広ではまだ2月だというのに全くホテルが見つからない、帯広市街から数km離れたところに幾つかあったが余りコースアウトするのもしんどいのでどうしたものか思案しつつ、ネット上を探し回っていたらコースから2kmほど逸れたとりあえず帯広市街と呼べる場所に温泉施設の宿泊用個室が見つかったので仮予約した。3泊目はゴールまで100kmを切った距離で適当なポイントを設定したかったが全くホテルは見つからず、まあ北海道という地の利も考えて2泊3日で帯広から一気に札幌まで走り切ってしまう覚悟をした。札幌前後泊のホテルも過去に泊まったことのある幾つかのホテルは予約できず、できるだけ安くて札幌駅から近い所を探し続けていたら、5月に入って札幌駅北口方面にようやく距離と値段のバランスの取れたホテルが見つかった。同時に帯広も若干値段は高くなるもののコースの直ぐ近くのホテルが見つかって予約を変更した。エアチケットも含め、取り敢えず交通手段の宿の段取りは全て整った。

 

 遠征1週間前になってようやく準備を開始。天気予報は余り芳しくなく雨に見舞われる可能性は高そう、最低気温も場所によっては10℃そこそこという予報もあるので、レインウェア上下も含め雨装備は必携とした。ドロップバックは用意せずにキャラダイスのサドルバッグとモンベルフロントバッグに分散して全て携行して走る。走行中のウェアは基本半袖ジャージにレーパンで、防寒具としては取り敢えずアームウォーマーとニーウォーマーだけ携行する。それでも寒くなったらレインウェアを防寒具として使用する。

 バイクについて、久し振りにGOKISOホイールを投入しようと思ったら、フリーが固着して全く動かなくなっている。去年このホイールを使用したブルベはことごとく雨で、シーズンオフに入ってちゃんとメンテナンスをせずに放置していたらこの有様。リアハブを分解したらグリスがほぼ完全に流れてしまっていた。内部をクリーニングしてMAVICのフリー用ミネラルオイルを注油して無事復活、北海道に持って行くことが可能となった。

 バイク、携行品を全てACORの輪行ケースに詰めて取り敢えず前日夜までに準備は完了した。

 

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 7/12(木)、計画的休暇取得で今日から17日までは休み。6時過ぎにのそのそと起き出し、ぼちぼち荷物の最終チェックをして9時に自宅を出発。

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 予定通り所沢駅から9:40発のリムジンバスに乗車。

 首都高では結構な渋滞に巻き込まれた。12:50のフライトだから間に合わないということはないと思うが、徐々に心配になって来た頃にAirDoからメールが飛んで来てフライトが35分遅れるとのこと、これで少々遅着しても問題はなくなった。

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 11:40に羽田空港第2ターミナルに到着。

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 AirDoのチェックインカウンターに向かう。AirDoは初めて使うので勝手が良く分かっていないのだが、搭乗手続きをカウンターで行った後にバイクケースをANAの手荷物カウンターに預けるという流れだった。バイクケースの中をチェックされることもなくすんなり預け入れ完了。

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 早々に搭乗口に行って、売店でサンドイッチを買って食べながら搭乗を待つ。そのうち場内アナウンスがあって、私の搭乗予定の便で席が足りなくなる可能性があるので、席を譲ってくれる人を募集するとのこと。席を譲ってくれた人には1万円をくれるらしい。1時間程後発の便に替えるだけで1万円もらえるなら航空代の片道がほぼタダになる様なもので悩む余地はない。直ぐにカウンターに行って手を挙げた。

 残念ながら席を譲ることにはならず予定通りの便に搭乗、13時半に機上の人となる。

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 15時過ぎに新千歳空港に着陸。バイクケースもすんなり出てきた。いつも通り電車で札幌に向かう。

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 遅滞なく移動して15:30発の快速エアポートに乗車することができた。

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 16:10に札幌駅着。

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 北口に出た。今までは南口方面のホテルばかり泊まっていたので北口方面に向かうのは今回が初めてとなる。

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 南口と比べると人通りも少なくちょっと寂しい感じだ。

 札幌は曇りだが予想していた程涼しくはない。まあ明日田舎の道を走り始めたら感じは変わるのではないかと思われる。

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 ホテルまでの1km程の道のりをバイクケースを引き摺りながら歩く。左側は北海道大学の敷地が続く。

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 大きい大学で通りを行きかう人達の多くは学生らしいが、何となく地方大学の風情が感じられて九州の片田舎の大学に通っていた身としては懐かしい感じがする。

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 ホテル到着。ロビーにはブルベ参加者のものと思われるバイクが2台程停められていた。他に参加者が数名ここに泊まっている様だ。

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 早速チェックイン。バイク持ち込みを快諾してもらい、部屋に入ってようやく移動は終了した。

 ホテルのWifiにすんなり繋がってネット環境も整った。腰を下ろして億劫にならないうちにまずはバイクを組み立ててしまう。ACORの輪行ケースに収納する場合はステムからハンドルを外すのだが、カーボンハンドルなので締め付けトルクをトルクレンチで管理しながら組付けなければならない。持参したトルクレンチを使おうと思ったら電源が入らない。電池切れの様だ。準備万端のつもりが思わぬところにチェック漏れが見つかってがっかり。電池を交換しようと思ったらCR2354とかいう特殊サイズでコンビニでは手に入らない。手の感覚で適当に締めようかとも思ったが、ここで手を抜いて走行中にトラブルに見舞われてたら悔やんでも悔やみ切れないので、ここは万全を期して札幌駅傍のヨドバシカメラまで電池を買いに行く。

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 電池を入手して、首尾よくトルクレンチ復活。きっちりハンドルを取り付ける。

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 バイク組み立て完了。バックに入れていたメインのフロントライトが点灯状態で出て来たのでびっくりしつつ落胆したが、取り敢えず18650バッテリーのスペアは持って来ているので何とかなるだろう。みいさん謹製のフロントバックカバーは今回のブルベでもどうやら活躍してくれそうだ。

 バイクが組み上がって人心地ついて御腹が空いたので、晩御飯を食べに行くことにする。ここは大学傍なので当然学生相手の安くて盛の良い店が沢山あるに違いない。ネットで検索して近場でよさげな店を探す。これだというメニューを見つけて早速向かう。

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 ホテルから300m程の珍萬という中華料理屋の看板メニュー「スタミナジュージュー」というネーミングの定食を卵付きで注文。

 程無く凄い湯気に包まれて鉄板上でジュージューと音を立てている一品が運ばれてきた。野菜炒めあんかけという感じのメニューだがピリ辛で御飯のおかずとしては申し分ない味とボリュームだ。このメニュー、卵付きで670円と非常にリーズナブルな御値段。北大界隈の定番メニューらしいのだが、貧乏学生に御腹一杯食べてもらおうという店主の工夫と愛情が感じられる一品だった。大学近くの食堂はこういうのがあるから楽しい。

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 御腹一杯になって満足して店を出た。20時前だが空にはまだ薄暮が残っている。明日もこれ位の天気ならば有難いのだがさてどうなるか。近くのコンビニで買い物をして戻る。

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 明日の朝食。北海道に来たら豆パン。美味しくて高カロリーで補給食にも最適なのだが、何故か本州には売っていない。これが未だに謎。さて今回の北海道滞在中に幾つ食べるのだろうか。明日は5時起き、アラームをセットしてしばらくネットを徘徊しつつ、23時頃に消灯。