関東は7月の下旬になってもずっと雨天曇天が続き、まともに晴れてすっきりとした青空を見たのが何日前だったのが全く思い出せない。湿度が高く不快指数100%で気分的にもどうも調子が上がらない。今週末はブルベの無い週末だが、今月は余り自転車に乗れていなくて距離も稼げていないので取り敢えず午前中は多摩湖CRを周回してその後歯医者だったり車検の車を出しに行ったりと用事を片付けて、先週末のAJ北海道さんの北見シリーズの走行レポートに手を付けた。分割連載になるが、先ずはスタート前日までをアップする。
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7/11~16は会社の記念日休暇3日間を使って6連休を作っていた。記念日とは即ち自分の誕生日なのだが、毎年この時期には第1夏休みが来る。この連休を利用して今年はSR600日本アルプスを走ろうと目論んでいたのだが、ルート上に幾つかの通行止め区間がありどうやらこの時期までに解除されそうにない見込みでエントリーを断念した。さてこの空いた時間をどう使おうかと思案していたが、R宮城さんの1000kmとAJ北海道さんの200km&300km連続の北見シリーズのどちらかでずっと迷っていた。1000kmは10月のAR四国さん1000kmを既に年間計画に組み込んでいることもあり、過去の開催を何度も見送って来た北見シリーズを走りたいと思ったのだが、6月にR札幌さんの初山別600にエントリーして2か月連続の北海道となることと、7月の羽田-女満別の飛行機代が結構高く、特に帰京予定の7/15の復路便の価格が早割でも36000円と半端なく高いのが引っ掛かって、なかなか思い切れずに逡巡していた。飛行機の早割期間が終わりそうになって、帰京予定を1日遅らせて安い飛行機代で帰って来れば良いではないかと自己欺瞞に近い納得のさせ方を強引にやって結果エントリーすることとなった。随分悩む時間が長かったが結局落ち着くところに落ち着いた。まあ、早い話が定収入のあるサラリーマンなので悩める程度の金額ならばさっさと金で解決してしまった方がすっきりするということだね。
7/12(金)、9時前に自宅を出発。パラパラと小雨がぱらつく中、バイクケースをガラガラと引き摺って最寄り駅まで徒歩で移動。この1km程の徒歩移動が北海道のホテルまでの全行程の中で一番疲れる区間だ。
西所沢駅に到着。
出発前にグーグルマップで所沢から羽田までの首都高経由の車移動の所要時間を調べたところ、若干の渋滞はあるものの平時より10分程遅い1時間40分の所要時間だったので、12:35発のフライトには十分間に合うだろうと予定通り9:40発のリムジンバスに乗ることにする。
所沢駅に到着しリムジンバスに乗ろうとバス乗り場に行くと、既にバスが到着していた。係員さんが「今日は雨で連休前なので道が混んでいて予定通りに着かないと思いますが大丈夫ですか?」と再三念を押されたが、事前調査が頭に入っていたこともあり、目論見よりも多少遅れても乗れるだろうと高を括ってそのままバスに乗車する。
関越から外環に乗ったところで少しずつ混雑が始まり、美女木JCで首都高に入った途端に渋滞が始まった。車の流れが完全に停止しわずかずつしか進まなくなった。これはちょっと怪しくなってきたと思いつつ、まあ最終的には飛行機には乗れるだろうと楽観視していた。1時間経っても池袋を通過しないのでこれは本格的にヤバいと思い始め、遂に2時間経ってもまだ渋滞の中という状況に陥ってようやくこれは危機的な事態だということを認識した。女満別までの正規料金は5万円、何のために帰宅日を1日ずらして飛行機代を安く上げたのかこれでは全く意味がないではないか。リムジンバスを1本早い便にしようかと思ったが見送ったし、バス乗り場で係員さんの忠告通り鉄道移動に切り替えるタイミングもあったがそれも見送った。結局自分の判断の甘さが招いたミステイクなので怒っても仕方のないことだ。取り敢えず後続便に乗る5万円の支払いを覚悟しつつ、駄目元でJALに電話してみることにする。スマホで連絡先を調べて、JALのビジネスサポートダイヤルに電話したところ、電話口の女性は如何にも手慣れた様子でテキパキと丁寧に対応してくれた。リムジンバスの遅延証明書があれば、別便に空きがあれば振替、遅延証明書がなければ正規料金の半額で振替してくれるとのことだった。取り敢えず罰金は25000円で済みそうなのでちょっと気が楽になった。渋滞箇所を抜け、漸くバスが常識的な速度で走り始めたのが12時過ぎ、もう間違いなく間に合わない。次なる課題は、バスの遅延証明書がもらえるかどうかと、別便に空きがあって振り替えてもらえるかどうかということに移った。
12:40に羽田空港第1ターミナル着。結局通常時の倍の時間がかかった。バスの運転手さんに遅延証明書が欲しいと頼んだら、バス乗り場の係員に聞いてくれと言われたので取り敢えずバスを降りる。
バス乗り場の傍に常駐している係員さんに御願いしたら直ぐに遅延証明書を発行してくれた。取り敢えず必要なものを入手してJALのチェックインカウンターに行く。
JALのチェックインカウンターに行って事情を説明すると、それならチケット購入カウンターに行ってくれと言われたので移動する。
チケット購入カウンターでバスの遅延証明書を渡して改めて事情を説明すると、こちらの女性も手慣れた様子でテキパキと処理を進めてあっけなく追加料金無しで振替チケットが発行された。すんなりと事が運んでほっとして改めてチェックインカウンターに行ってチェックイン、バイクケースも軽く中身を開けて見てもらっただけですんなり預け入れ完了。
結局、今回の乗り遅れのペナルティーは4時間半の待ち時間だけということになった。考えてみれば2015年PBPの時の往路の空港間違いの時も無料で別便に振り替えてもらって事無きを得たのと全く同じ状況だ。自らのミスは只反省あるのみとして、JALもANAもこういうダメな乗客が常時発生しても手厚くフォローアップしてくれるということが身をもって確認できたということは経験値としては非常に有益だった。でもそれはマニュアル化されているかどうかは定かではなく、また、別便に空席があることが大前提なので、常にこのサービスが受けられるかどうかは定かではない。良い子の皆さんは絶対に真似をしないで頂きたい。
さて4時間半をどうやって潰すか。まずはホッとして御腹が空いたので羽田大勝軒に行く。
もりそば大盛り。所沢大勝軒の常連の立場からすれば味も量も物足りない。でもまあ羽田空港という場所を考えればこんなものかな。
昼食を終えて取り敢えず普段は全く行く機会のない展望デッキに上がってみる。相変わらず雨が降っていて特にどうということの無い風景に直ぐにその場を離れる。
特にやることもないし歩き回ると疲れるので早々に搭乗口に向かう。搭乗口近くのシートに座ってスマホを眺めたりうつらうつらしたりするが時間がなかなか潰れない。この世で一番消化しにくいものは時間、という台詞は確か銀河鉄道999にあった様なことをふと思い出した。
自らの判断ミスが招いた足止めとは言え、この数時間の忍耐でこれから北海道を走るというモチベーションがすっかり消失してしまった気がする。家に帰ってだらだらしたいという思いが強くなるが全てを投げ出して帰るわけもなくただじっと耐えるのみ。
乗るべき飛行機が到着し、乗せてきた乗客を降ろして折り返し女満別へのフライトのために準備を整えているのを眺める。
ようやく搭乗開始。長かったー。
機内は空席がちらほら。空きがなくて乗れないというリスクは元々なかった様で取り越し苦労だった。予定通り17:45に機上の人となる。
19時半過ぎに無事女満別空港に着陸。
降機してから歩く距離が凄く短くて、羽田や成田の感覚で手荷物受取場までの移動をしていたらうっかり到着口を出てしまった。慌てて戻ろうとしたら入口の地上係員に「進入禁止です。私が取ってきます」と制止されてしまい、外で待つ羽目に。今日は色々情けない。
無事にバイクケースを受け取って北見行きのリムジンバス乗り場へ向かう。到着ロビーの目の前が乗り場。女満別空港は小さいので移動距離が非常に短くて助かる。バスはちゃんとした大型バスだったので一安心。女満別空港から北見までは30kmちょっと、鉄道駅の最寄は地図上では西女満別駅が2km程の距離だがグーグルマップで見る限りちゃんとしたアクセス道が良く分からない程の小さな駅なのでバイクケースを抱えて歩くにはかなり難儀しそうなので北見までのアクセスは実質リムジンバスの一択だ。(空港にバイクケースを預けて自走で行くという選択肢もあるが今回は見送り)
終点北見駅までは1000円。
バスのトランクには各自勝手に荷物を入れる。
料金は降車時支払い。
発車時間は特に決まっていない様で、到着便に合わせてやって来て粗方到着客が掃けた頃を見計らって発車するのでそれ程慌てる必要はなかった。20時前に発車。
車通りの殆どない道を快調に走る。バスってこんなに速かったのかと感心する。これがバス本来の速度だ。
30分超であっという間に20時半に北見駅に到着。駅舎は暗く人影は全くない。今回のホテルは駅から900m程のところ、徒歩で移動開始。
北見市街はそこそこ大きい街だが車通りも人通りも少ない。静かな街の中ではバイクケースのキャスターのガラガラという音がやたらに響く。気温は10℃台後半といったところか、Tシャツ1枚でも快適で過し易い。夜でこの程度なら自転車で走る分には防寒具の類は一切必要ないだろう。
10分超歩いてホテルに到着。分かりやすい道なので迷うことなくすんなり来ることができて良かった。
チェックインを済ませて部屋に入った。つまらないトラブルでかなり遅くなってしまったが無事に辿り着いてホッとした。
腰を下ろす前に輪行解除。バイクの組み立てには大体30分程が必要。組み終えて簡単に各所をチェックするが特に問題は無さそう。予定通りであれば組み終えた後に軽く試走をするはずだったがぶっつけ本番だ。
このホテルの事前情報ではwifiの存在は不明だったが、ちゃんと館内wifiがあってすんなり開通できたのは良かった。
バイクの準備ができたら、ホテルの直ぐ傍のコンビニに明日の朝食等を買い出しに行く。
買い物を終えて部屋に戻りシャワーを浴びる。大方やるべきことをやり終えてすっきりしてガラナで前夜祭の乾杯。ふー、旨い。これでようやく本来のスケジュールに追い付いた感じだ。ホッとしてしばし途方に暮れる。ネットで明日の天気予報をチェックするが取り敢えず午前中はどうやっても雨予報、午後は上がる見込みだがさてどうなることやら。今回は関東から強力な呪術師が2人もこの地にやって来ていることを考えれば雨はどうやっても避けられそうにない。覚悟を決めるしかないか。
ぼやぼやしていたら何となく眠気が来たので、明日の起床時間を4:30としてアラームとモーニングコールをセットしベッドに入る。消灯時間は23時前。