10月初旬にようやくPBPのブログを書き終え、やっと私のPBPは完結した。PBPを走り終えてもう1か月半が経過したが、今日までにブルベを5本走っている。PBPのブログが終わっても直ぐに次を書き始めないと溜まる一方、これが結構な心理的重圧になっている。そんなわけで先ずはAR日本橋さんのSR600Fukushimaの走行レポートを書き始めることにする。
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SR600は超級山岳ブルベのパーマネントコース、600kmの距離で標高差10000m以上登るハードなブルベだ。 日本では2013年から始まったが、2017年でレギュレーションが変わってランドヌール部門の制限時間が標高差によらず一律60時間となって、走行プランの組み立て次第では2泊3日で走れるようになった。山岳は確かにきついが60時間目一杯使って2回仮眠が入れられれば、通常の600kmブルベより余裕を持って山岳を楽しみながら走ることができるのがSR600の魅力だ。
現時点で日本のSR600のコースは近々開始予定のものも含めると8コースある。私的には日本のSR600のコース全てをランドヌール部門で認定完走したいと思っているのだが、50歳を超えて年齢的にどんどんきつくなって来ているので年に1本ずつとか悠長なことをやっていると間に合わなくなる可能性がある。現時点でまだ3本(富士、北関東、紀伊山地)しかクリアできておらずあと5本も残っていて何となく焦りがある。今年のゴールデンウィークにSR600紀伊山地を走って、今年のうちにもう1本走るのはきついかと思ったが、今年新設されたSR600奥入瀬とSR600福島がスタート地点も関東から近く鉄道移動可能でスケジュール的に前泊だけで行けそうなので、長期休暇でなくても週末3連休に有休休暇を1日付ければ実行可能だ。具体的日程を他の通常ブルベとの兼ね合いを見ながら検討した結果9/14~16の週末3連休が季節的にも適当という目星が付いた。PBP走行後3週間というタイミングだが、まあ3週間休めば疲労もモチベーションも回復しているだろうとそこは楽観的に考える。日程が見えたところで奥入瀬か福島のどちらにするかの検討に入った。私的にSR600の走行パターンの基本は朝スタートで240km+240km+120kmの2泊3日で組み立てるのだが、このプランに合致する仮眠ポイントが見つかるかどうかが一つの判断基準となる。ルートを見ながら極力ルート沿いの宿を探していくのだが、奥入瀬はなかなか適当な所がみつからない。そもそも上記の走行プランだとその地点が街ではないので宿が見つけ辛いのだ。若干距離を調整しなければならない感じだ。次に福島だが、福島では既に主催者が推奨プランと称して2泊3日の走行パターンを公式ページに例示してあるのだが、これが正に私の走行パターンとほぼ合致していた。このパターンで仮眠ポイントを探し易い様に、コース設計者は1泊目は喜多方、2泊目はいわきという大きな街を意図的に通してあるので宿捜しはかなり容易だ。実際、9/14~16の日程に当て嵌めて宿を探したら喜多方もいわきもほぼルート上にあっさりホテルが見つかった。仮眠ポイントが決まってしまえばもう走行プランは完成したようなものなのでこれはもう福島で決まりということになった。速攻でホテルを予約し、8/1のエントリー開始と同時にエントリー手続きを行った。翌日にはエントリーが受理され、8月上旬にはブルベカードとフレームバッジが届いた。取り敢えず出走条件は早々に整うこととなった。
出走への地ならしができたところで改めてコースを確認してみる。
スタート&ゴールは郡山駅前 。早朝スタートで前泊の宿を確保も非常に容易。関東からも近く、私的に自宅から鉄道利用で2時間半で行けるのはかなり近い。コースはサブタイトル通り大半が福島県内(ちょこっと山形県に入る)だ。獲得標高差はほぼ10000m、SR600のレギュレーションぎりぎりに抑えられており、山岳に厳しい印象のあるAR日本橋さんにしてはジェントルな仕様に思える。コース上の私的に知っている峠は浄土平と白布峠くらいか。とりあえずコースの全体像としてはそれ程特異な点は見当たらないが、これを3日分のルートに分割してみると色々と見えて来る。
<1日目>
<2日目>
<3日目>
まず特筆すべきは1日目、2日目は前半にその日の最も高い峠越えを配置してあることだ。午前中のまだ脚もメンタルもフレッシュなうちに一番ハードな登りを終わらせて後半に向けて緩くすることで心理的なプレッシャーを少なくして身体的な負担を軽くすることができる。しかも全行程の最高標高地点を初日の前半で終わらせてしまうというのは残りの行程に臨む心理的負担が随分軽くなる。私的にはこのレイアウトは非常にメリットがあると考えるし、もしコース設計者がこの点に配慮して峠の配置を調整したのだとしたら、仮眠ポイントの設置地点の配慮も含めて極めて秀逸な設計だと思う。私的にはSR600は600km、10000mをクリアしつつ如何にイージーで楽しく万人が完走可能なコースを作るかがコース設計者の腕の見せ所だと思っているので、このSR600福島は非常に期待が持てる。
前日までの天気予報では全行程雨予報は無し。気温もそれ程低くないので、装備は思い切って軽くする。当初はtailfinのサドルバッグを付けて行こうと思っていたが、雨具とかを持たなければスペアタイヤ、Tシャツ&トランクスなどはフロントバッグに詰め込めるので、バイク用スペアパーツを入れる小さなサドルバッグで済ませた。バイクのメンテナンスもきっちり済ませて翌日の移動日に備えることとなった。
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9/13(金)、今日は有休休暇で朝からぼちぼち出発準備。昨日までは問題なかった天気予報も日曜月曜のいわき市が雨予報になってしまった。でも取り敢えずいわきは最低気温20℃は上回っているので雨具無し強行を決断。この雨予報は俺に対する挑戦と見た。受けてやろうじゃないの。今回は鉄道輪行ないのでバイクは簡易輪行袋に収納する。両輪外しのタイプだがバラすのに工具を一切使わずに収納できるので楽なのは有難い。準備完了して15時半に自宅を出発、輪行袋を抱えて徒歩で最寄り駅に向かう。
最寄り駅に到着。徒歩での移動距離はここまでが多分一番長い。後は電車を乗り継いで郡山に向かうのみ。
この時間の電車はガラガラ、輪行袋は気兼ねなく持ち込めた。
西武池袋線、武蔵野線、埼京線と乗り継いで17時過ぎに大宮駅に到着。
遅滞なく行動した結果、17:26大宮発の新幹線に乗車することができた。交通費をケチって自由席にしたが、かなり空いていて輪行袋の持ち込みは全く問題なかった。
18:18に郡山駅に到着。新幹線の乗車時間は50分足らず、本当に近い。
ホテルに向かう前に、明日の朝ホテルをチェックアウトしてから手荷物を一時保管するためのコインロッカーを探す。スタート&ゴール地点のある西口1階の駅外に非常に近い所に直ぐに見つかった。
ホテルは東口だが西口をちょっとだけ見学。街的に賑わっているのは西口側の様だ。
立体の通用路を通って東口に向かう。ちょっと距離がある。
東口には改札はなく、通用路の入口があるのみ。
通用口入口の目の前が今日のホテル。正に駅前で非常に近い。輪行袋を抱えていると少しでも歩く距離が短いのは助かるので、自転車乗りにとっては駅前のホテルはインセンティブは非常に高い。
18:40、ホテルに到着。移動時間が短いと本当に楽だ。遠征という感じが非常に薄くて心理的な負担がかなり少ないのは有難い
あっという間に輪行解除。ペダルもハンドルも外さない輪行は便利で楽々。
このホテル、大浴場の無いホテルとしては今まで泊まったホテルの中ではベスト3に入ると思う。ユニットバスが広いし浴槽が広くて湯量が多くあっという間に浴槽に御湯が溜められるのでゆっくり浸かることができた。駅の直ぐ傍だし1階はコンビニだしベッドライトはあるしほぼ完璧。惜しむらくはLANが有線なところ。
風呂に入ってさっぱりしてから飲む冷たいコーラはいと旨し。ファミマ名物のメガプリンで独り前夜祭。
寛ぎながら明日以降の天気予報をチェックする。お!いわき市の9/15(日)の傘マークが消えた!よしよし。後は翌日だな。天気は後ろ倒し傾向なので更に遅れることに期待する。
何となくツイッターを眺めているとこのSR600福島を明日の6時スタートで走る人が何人かいる様だ。スタート地点がちょっと賑やかになりそう。どなたに会えるのかちょっと楽しみだ。
前日のこの時間になってようやくSR600を走るのが楽しみという前向きなモチベーションが多少湧いて来た。PBPを走り終えて3週間経って、身体は元通りだが気持ち的に全然盛り上がって来なくて、今回のSR600はかなり億劫だったというのが正直なところだった。何故かなと考えたら、ここのところずっとPBPのブログを書いていたからかも知れない。私的にブログを書く作業は当時の記憶を辿り直すことだがら、意識はまだあの最中に居続けているのかも知れず、ずっとブルベを走り続けている様な錯覚に陥っていたのかも知れない。でもSR600にエントリーして明日から走らなければならないのは厳然たる事実、きちんと気持ちを整えて走り出さなければならない。
アラームを5:15にセットして就寝。消灯時刻は22時。