電子ドラムのセットチェンジ

 3月ももう終わりだが相変わらずブルベを走ることができない。年が明けて1月2日に四国400を走って以来、もう3か月が経とうとしている。1月7日に緊急事態宣言が再発令されてから2か月半経っても感染は収束せず、五輪の聖火リレーを是が非でもスタートさせるために政権は強引に緊急事態宣言を解除したものの、間髪入れずに感染拡大基調になっている関東1都3県はシームレスに段階的緩和措置を発令、当初3月31日に解除予定だったが結局4月21日までの延長が既に決定されている。基本的に政府は掛け声だけで感染防止対策らしい施策は何もやっていない。自粛要請をただ垂れ流すのみでは、これだけ長期化すれば宣言自体が形骸化し効力をほぼ失っている。政権はもうこのまま五輪までに盲進するだけだからもういちいちコメントしてもどうにもならないのでこの辺で止めておくが、日本はこの夏に色々な意味で大きなダメージを食らうことを覚悟しておいた方が良いだろう。日本の国際社会での立ち位置が回復不能なまでに失墜することも十分あり得る。まあそんなことを本気で心配している日本人はそんなに多くはないだろうが。

 私的にはブルベが走れなくてもやることは色々あるので特に困ることは無い。自宅での音楽的活動がメインとなるが、今回のブログネタはドラムセットの話。きっかけは少し前にネットを徘徊していてYAMAHAのドラム絡みの新製品が出ていることに気付いたこと。電子ドラムのトリガモジュールとフットペダルに新製品が出ているのを見つけてどうしても欲しくて買ってしまったのをきっかけに今の自宅のセットを色々とモディファイしていてこの程漸く完成を見た。

f:id:gearmasher:20210321185035j:plain

 変更後のセットはこんな感じ。かなり前にブログにアップしてからちょこちょこと弄って来たのでその時からどれだけ変わったのかもう覚えていないが今回の主な変更点は、

1. 音源モジュールの変更

2. 左足にベードラ/フットクラーベ切り替え用のペダル追加

3. スプラッシュシンバルの追加

といったところ。後はセッティングの都合でYAMAHA純正のタムパッドだと奥行きをかなり深く確保しなければならず今の自室ではスペースに余裕が全くないので色々と試行錯誤してRolandのV-Drumのパッドを使うという禁じ手に出た。

f:id:gearmasher:20210321185111j:plain

 今回の変更の目玉は音源モジュール、YAMAHA/DTX-PRO。今まで使っていたDTX700に音的にはそれなりに満足していたものの、LINE OUTに何故だかそこそこ大きいレベルのノイズが乗ってしまい録音するとかなり気になるのをずっと何とかしたいと思っていたので、このDTX-PROを見つけたのはある意味渡りに船だった。まだ発売されたばかりの新製品で中古は皆無、新品価格もほぼ定価販売ばかりだったが我慢できずに速攻で購入を決意。

 早速鳴らしてみると流石にバリバリの新製品、音は凄く良い。DTX700でも十分だと思っていたがいざ聴き比べてみると音は更に上を行っている。シンセならば出音は個性とも言えるので新旧の差は個性であって良し悪しではないと言えるのだが、ドラム音源モジュールとピアノだけは例外で基本的にアコースティック楽器のシミュレートだから新しければ新しい程良くなっているというのがセオリーだ。

f:id:gearmasher:20210321185154j:plain

 もう一つの目玉はフットペダル、YAMAHA/FP9D。

 私的にYAMAHAのダイレクトドライブのフットペダルを使い続けていてこのモデルで4代目となる。

f:id:gearmasher:20210321185222j:plain

 私の場合、ペダルの踏み板のかなり前の方を踏む癖があり、過去の3モデルは踏み板の前の方が小さくて自宅で素足で踏む時に足裏が踏み板からはみ出してしまいどうも収まりが悪かったのだが、このペダルは踏み板の先端部が広くなっていて足裏がはみ出さずに気持ち良く収まるのが画期的だった。漸く私の使い勝手に合うペダルに巡り合えてとても嬉しい。

 試奏。もうここまで来ると生ドラムはスペースファクターとセッティングやメンテナンスの煩わしさを考えるとデメリットの方が大きい様に思えてくる。でもまあこれは自宅という特殊環境での話であって、生ドラムを置ける環境があるならばやはり生が良いのは言うまでもないことではある。

 

 ドラムネタということではもう一つ、これは残念で悲しい話。ドラマーの村上”ポンタ”秀一さんが3/9に亡くなられた。突然の訃報にただ残念と言う他はない。ポンタさんは文字通り日本を代表するドラマーであらゆるジャンルで幅広い活動をされていた。彼のドラミングは他に類を見ないスタイルで一言で言うとアヴァンギャルド、エモーショナルでアグレッシブで予測不能なフレーズがバンバン出て来てとても新鮮でカッコ良かった。渡辺香津美との組み合わせが最高にカッコ良くてこれぞ正に日本ジャズの最先端の音という私的な感想を強く持っていた。

 会社に入って直ぐの頃に 東京都心で日本のジャスマン総出のチャリティーコンサートのボーヤをやる機会があった。メンバーが凄い割には観客が余りいなくてあのコンサートは一体何だったのか今ではほとんど思い出せないのだが、その時にポンタさんに会ってちょっと御話ししてごみ箱に捨ててあった折れたスティックを持って帰ったのを良く憶えている。彼のスティックは塗装されていない生木のままだった。

f:id:gearmasher:20210328171945j:plain

 社会人になって直ぐ、本格的にドラムを始めて最初に使い始めたスティックがポンタモデル。今は歳を取ってもうこれを振り回すことは無いけれど、今改めて持ってみると太くて重い。彼のパワフルなドラミングはこのロックドラマーが使う様なヘヴィーなスティックで生み出されていたのかと思うと感慨深い。

 享年70歳。彼の早過ぎる死を悼み、合掌。