PBP2023/Report 3:スタート前日

 8/19(土)、6時前に何となく覚醒。昨夜というより4時間位前にホテルに着いて速攻でベッドに入ったものの寝ているのか起きているのか分からない状態を彷徨いつつ時間だけが過ぎていたという感じ。このままベッドの中にいても眠りに落ちることはできなさそうなので6時半の朝食を待って、朝食を食べてから改めて寝直すことにする。

 6時半になったので着替えて食堂に降りていく。

 食堂に入るとほぼ日本人しかいない。皆PBPの参加者の様だ。要するにPBPツアーの宿ということか。

 バイキング形式でパンやパンケーキが主食か。左にはスクランブルエッグとベーコン。

 ジュースやコーヒー、ミルクも用意されている。

 ハムやサラミソーセージ、チーズやフルーツ、ヨーグルトは用意されているがサラダ等の野菜は全くない。

 睡眠不足で疲労感は明確にあるがお腹は空いているのでがっつりといただく。やはりパンはどれも美味しい。

 時刻は6:45、外はようやく夜が明けて明るくなったという感じでまだ朝日は見えない。雲はあるが天気は良さそう。

 パンやジュースをお替りしつつ30分程のんびりと食事をして部屋に戻る。

 部屋に戻って再び寝ようかと思ったが全く眠くならないのでそれなら昨夜出来なかったバイクを組み立てようと思い立ち作業開始。

 装備をひとつひとつチェックしながらのんびりバイクを組み立てて1時間程で完了。取り敢えずざっと見回して破損個所はなさそうなので一安心。試走は後程。

 取り敢えずベッドに横になる。スタートまでは36時間、まだこれだけの猶予があると楽観的に考えてとにかく昨夜の疲れを取ってあのアクシデントを無かったことにしてしまいたいところ。

 2時間程ベッドの上でうだうだと過ごすが眠れそうにないので、それなら覚醒しているうちにRambouilletに行って出走受付を済ませてしまおうと思い立った。レジストリーでは16:00にしていたが厳密に管理されているわけではないので自己都合で変更させてもらう。

 電車の時間を見計らって10:45にホテルを出発。車検は当日スタート直前に行われるのでバイク持参で来る必要はないという事前の主催者のメールが来ていたので徒歩でSt-Quentin-Yvelines駅に向かう。駅までは1kmちょっと。

 空は曇天で歩くうちにぱらぱらと大粒の雨が落ちて来た。このまま土砂降りになるのかと身構えたが強くなる感じもないのでそのまま歩き続ける。

 歩きながら道路標識を眺めるだけでも異国情緒があるので十分に観光気分で楽しい。

 集合住宅が建ち並ぶ住宅街を通過。路駐エリアが個人の常用駐車場という感じなので基本的にフランスの乗用車は大体コンパクト。パリ市街も含めて市街地の生活エリアは結構密集度が高くごみごみしているので自ずとこういうコンパクトな車に集約されるのだろう。

 25分程でSt-Quentin-Yvelines駅の入口に到着。前回2019年の時にはこの駅の近くのホテルで完走パーティーとドロップバッグの返却が行われたので来たことがある。記憶にある風景と同じだった。階段を登って連絡橋を渡って駅に向かう。

 連絡橋を渡り終えて階下に降りるとそこが駅。

 自動券売機で手間取りつつも切符を買う。Rambouilletまでは€3.9。その後にその切符を認証装置なるものに通す。この駅は改札は切符を入れなくてもフリーで通過できるのだが、この認証装置に切符を通しておかないと切符がアクティブにならずに降りる駅の改札で異常認識されて面倒臭いことになる。但しこの認証装置が全ての駅にあるわけではなさそうで、フランスの鉄道の仕組みというかしきたりがいまいち理解できずにいる。

 切符を買うのに手間取ってしまいRambouillet行きの電車をタッチの差で逃してしまった。日本の間隔で時間マージン無しで移動するのは失敗だった。次の電車は1時間後。

 St-Quentin-Yvelines駅の南側は結構賑やかな感じ。PBPを走り終えたらちょっと行ってみたい。その内結構雨が降って来たのでホームの端の待合室で雨宿り。

 西の空に青空が広がって来た。もう少しで雨は止みそうだ。Rambouilletはもう晴れているだろうか。

 やっと電車が来た。

 12:12発のRambouillet行きの電車に乗車。車内には参加者の姿がちらほら見える。

 パリから西に離れていくと風景がどんどん田舎になっていく。PBP走行中に見る風景に近くなって来た。

 12:38にRambouilletに到着。自転車持参の参加者が結構いる。

 地下通路を通って出口に向かう。

 この人の流れに乗っていった4年前が鮮明に思い出される。PBP直前の高揚感がじわじわと沸いてきた。

 Rambouilletの駅舎。

 4年前に見た風景と同じ。Rambouillet城までのルートは何となく覚えているので早速向かう。

 駅から左に曲がって坂を下りてちょっと進んだら右折という感じか。まあ参加者はたくさんいるのでその流れを追えば辿り着くだろう。

 街並みがいちいち懐かしい。4年前に1度来ただけなのに強く印象に残る体験をした場所なので記憶にしっかりと焼き付いている。

 近くまで来たら露天市場が立ち並んで賑やか。その脇からRambouillet城の敷地の中に入っていく。

 前回来た時には通らなかった道を歩く。こういう広く綺麗な公園があったとは全然気付いていなかった。

 前回来た時は自転車でさっさと通り過ぎてしまったのか、徒歩だと色々と見えるものがある。

 これがRambouillet城か。前回はちゃんと見ていなかったのでとても新鮮。

 と、城の傍で日本語の歓声が飛び交っている。何事かと思ったら、そうか日本人の集合写真撮影か。ちょうどその時間に上手い具合に通りかかった。

 4度目の参加で初めて日本人集合写真に混ざることができた。

 それにしても結構な人数。ここにいない人もいるはずだから一体全員で何人参加しているのだろうか。

 PBP参加6回目のレジェンド達の記念撮影。6回というのは本当に凄い。日本のブルベをけもの道から作って来た人達の存在を改めて認識する。

 その場で顔見知りの人達と挨拶を交わす。昨夜Versailles駅で一緒に足止めを食らった人とも再会しお互いの無事を確認した。ひとしきり会話をして受付に向かう。

 公園内ではドレスを着飾ったご婦人達が集まってお祭りのような雰囲気。古城の雰囲気にぴったり。

 よく考えたら受付の場所をちゃんと把握していなかったのでどこに行って良いかよくわからない。取り敢えず人の流れに任せてテントの方に進む。

 テントの中は自転車やその他用品の物販所の様で受付ではなかった。引き返して別の人の流れに乗って進む。

 かなり歩いてようやく辿り着いた。着いてみたら前回の受付の場所と同じだった。こんなに遠かったっけ?と思ったら前回は自転車で移動したので距離を余り感じなかった。今回は徒歩なので物凄く遠く感じる。

 敷地内を見回して日本人の受付場所を探す。

 この入口の様だ。早速中に入ってみる。

 受付の上に日本国旗があるので直ぐに分かる。パスポートとエントリー票を提示して受付をする。担当の人は分かり易い英語で丁寧に説明してくれた。ブルベカードやゼッケンプレート、ジャージや反射ベストの入ったバッグを受け取りこれで事前受付は完了。

 建物の外に出てボトルと矢印プレートを受け取る。矢印プレートが事前に配布されるとは予想外。

 もう少し見て回りたかったが帰りの電車の時間があるので早々に立ち去る。

 徒歩で受付に来て想定外に時間がかかったので電車の時間が危うい。1時間に1本しかないので逃すと無駄に待つことになる。こんなことなら自転車で来ればよかったと後悔しながら走って駅に戻る。

 駅に着いたらちょうど電車が行った後だった。またしてもタッチの差で逃してしまい、ここまで走って無駄に体力を消耗しただけで終わってしまった。激しく落胆、一体俺は何をやっているのか。

 N線だと1時間待ちだが、TER線のMontparnasse行きで一旦Versailles-Chantiers駅まで行きそこからN線でSt-Quentin-Yvelines駅に戻る方が早いということが判明しちょっと気分が回復した。

 14:13発のMontparnasse駅行きに乗車。

 この看板が参加者全員分用意されていると聞いていたが受付でもらえるとは思わなかった。先に渡しておけばコース上のを外して持って帰る輩はいなくなるという読みか。私的には特に欲しいとは思わなかったが貰えるのならば貰っておこう。

 14:35にVersailles-Chantiers駅に到着。

 St-Quentin-Yvelines行きは14:43、今日はちゃんと動いているよね。

 昨夜の悪夢が生々しく思い出される。未だに何であんなことになってしまったのが理解できていないし納得できていない。

 Versailles-Chantiers駅は何事も無かったかの様に静か。とにかく余計なことはさっさと忘れるに限るか。

 14:43発のSt-Quentin-Yvelines行きに乗車。

 14:51にSt-Quentin-Yvelines駅に到着。1本電車を逃したロスを30分程取り返してやや満足。

 再び駅に戻って来た。出てきた時とは打って変わって良い天気。

 往きの道とは違う道でホテルに戻る。住宅街の中を抜けるこっちの方が距離的に近い様だ。

 ホテルに戻ってすかさず近くのスーパーに買い物に出掛ける。駅とは反対方向に1.3km程のところにあるので徒歩で向かう。

 高速道路を越えたところで右へ曲がって住宅街の中を進む。

 パリ市街近郊の閑静な住宅街という感じか。人の気配は余り感じない。

 広い駐車場の中を抜けてスーパーに辿り着いた。

 売り場がとんでもなく広いスーパーでサンドイッチを見つけるのに相当時間がかかってしまった。少量購入者のセルフレジは使い方が直ぐ分かってそれ程難儀することなくすんなりと買い物を終わらせることができた。

 帰り道、自転車の親子が車道の真ん中を悠々と走っていた。これがフランスの当たり前の間隔なのだろう。

 ホテルに戻って受付でもらったバッグの中身を改めてチェック。ブルベカードケースの中はブルベカードとバイクとヘルメットに付けるゼッケンプレート。前回と同じ構成。

 スーパーで買ってきた昼食と夕食。サンドイッチはかなり大きくて1食ひとつで十分に食べ応えがある。オレンジマーマーレードのチョコクッキーは海外遠征の度に必ず食べる定番のお菓子。昔は日本でも買えたのに今では全く見なくなった。何故だろう?

 これで€9.82はそこそこリーズナブルではないだろうか。

 16時半に遅い夕食を摂った後に遂に睡魔が来て3時間半くらい前後不覚に寝た。20時過ぎに目覚めてもまだぼーっとしているので完全に時差ボケ睡眠不足。取り敢えず風呂に入ってちょっと準備をする。

 バイクにゼッケンプレートを取り付ける。カッターがないのでケーブルタイはそのまま。

 フロントのゼッケンプレートはフロントバッグの邪魔になってしまうがここにしか付けるところがないので致し方なし。

 ヘルメットにシールを張り付けて取り敢えず完了。これでバイクのセッティングは終わりかな。試走は明日の朝にやろう。

 何となく所沢大勝軒とD麺が無性に食べたくなった。これも里心というやつか?明日からは馴染みのつけ麺・ラーメンを食べることをモチベーションに走る。フランスから帰国したら速攻で行くぞ。

 とにかく睡眠不足を解消することが最優先。スタートまで24時間を切ってひたすら休養する。就寝時刻は22時半頃。