PBP2023/Report 17:Stage 13,Day 3/Villaines-la-Juhel -> Mortage-au-Perche(81.3km/1099.0km)

 8/23(水)、19:25にCP11/Villaines-la-Juhelを出発。CP滞在時間は約20分。予定より1時間半遅れだが許容範囲。

 取り敢えずこれだけの参加者がまだここにいて、且つ最終組スタートであることが多少の心理的余裕を生んでいる。

 第13ステージはVillaines-la-JuhelからMortage-au-Percheまでの81.3km。このステージも往路の完全遡り。往路ではアップダウンも緩くそこそこ楽な印象だったし、これから夜間走行に移行していくので気温が下がって来ればいつもの様に調子が戻って来るのではないかと期待している。ここを乗り越えてMortage-au-Percheで仮眠すれば明日は120kmだから完走確率は一気に上がる。いずれにしてもこのステージが今回のPBPの最後の勝負どころとなるはず。気合を入れ直して臨む。

 このレースの様な雰囲気に呑まれてテンションを上げてバイクに跨る。多くの観客の参加者へのリスペクトを推進力に変えて、今日最後の勝負に挑む。

 ゲートをくぐってCPを出ていく。

 スタッフに見送られながら経路を進む。何となく名残惜しい。

 Villaines-la-Juhelの街中を抜けていく。果たしてまたこの街を訪れることはあるのだろか。

 街を出て緩やかな牧草地の中を走る。

 復路Villaines-la-Juhelの街を出た直後のこの風景を眺めるのも私的にPBPの楽しみの一つ。長旅も終わりに近づき先の見えない試練の連続から終わりが見通せた名残惜しさに遷移していく中で観るこの風景は何とも言えない感慨を覚える。

 1022.0km、Avertonの街に入った。まだ明るいので残念ながら電飾を見ることはできない。

 3日前に通った時は夜中だったから風景が全く違って見える。

 Avertonの街を抜けて直ぐに上りが始まる。3%程の真っすぐな上りをぼちぼち進む。休憩して両足裏の痛みが少し治まっているのでそこそこ楽に上っていけるのはありがたい。

 暑さも緩んできて夕暮れ前の穏やかな風景に何となく和む。さっきまでの長く辛い時間がようやく終わってくれたかと安堵感がちょっと湧いてきた。

 往路では見えなかったひまわり畑を通過。皆重い頭を垂れてうつむいている。夏ももう終わりか。

 それにしてもこのひまわり畑は広大。花の盛りに見たらさぞ壮観な風景だったことだろう。

 1032.1km、Saint-Paul-le-Gaultierの街を通過。

 この後順調に行けば明日の今頃は打ち上げで吞んでいるかホテルで寝ているかだろう。夕暮れ時の風景を見ながら走るのはこれが最後。そう考えるとちょっと名残惜しい。

 進むうちにまたしても両足裏の痛みがぶり返してきた。ペースダウンして後続にぽつぽつ抜かれ始める。ここで焦って無理をするとダメージが更に大きくなるのであくまでマイペース。

 1028.6km、上りをこなしてSougé-le-Ganelonの街に入った。教会の写真を撮る振りをして足裏を休めるためにちょっと止まる。一呼吸置いて再び走り始める。

 この街辺りまでは明るい時間の風景を見ることができたが、この先は行きも帰りも夜景しか見られないかも知れない。

 1039.3km、街を出た直後を左折してD106に乗る。

 1040.4km、Assé-le-Boisneの街を通過。

 1045.1km、Gesnes-le-Gandelinの街中で左折してD21に乗る。曲がって直ぐに上りが始まる。

 3%位の上りだが私と同じ様なスピードでのろのろと上っていく人が何人もいる。皆何かしら痛みを抱えていたり疲れているのだろう。みんな頑張れ、俺も頑張る。

 ここのひまわり畑はまだ花がしゃんとしている感じ。

 1053.1km、広い道の左右に住宅街が続く。そろそろAlençonの大きな街に入って来たか。

 1054.7km、街中のラウンドアバウトをぐるっと回って左折。Alençonの街中に入って来た。

 交通量の多い通りに信号、都会の喧騒にちょっと面食らう。

 1055.9km、大通りから逸れてそろそろ街の出口か。時刻は21:27、薄暮がほぼ消えてナイトラン開始。

 1057.3km、住宅街の中の細い通りを右折してAlençonの街を離脱。

 郊外に出て真っ暗なD16を進む。大きな街を抜けて再び落ち着きを取り戻した。気温はかなり下がってかなり走り易くなったが両足裏の痛みが酷くなってきてペダルを踏むのがかなり辛くなってきた。シューズを脱いで血行を良してちょっと休ませると多少回復するのでどこかで小休止を入れたいところ。

 1064.5km、Chasséの街に入った。



 街中の教会の前に芝生があったのでそこに止まってちょっと休むことにした。

 芝生に座ってシューズを脱いで足を投げ出し、しばしの間痛みから解放される。

 取り敢えずこの区間の半分は消化したのでちょっと気楽。現在時刻は21:56で残り距離は35km弱、CP到着は日付が変わる頃かな。この時間で着ければ御の字か。

 10分程の休憩の後走り始める。

 1068.8km、Villeneuve-en-Perseigneの街を通過。夜遅くにたくさんの地元の人の応援を受けて元気が出る。

 街の出口で左折してD16を更に進む。

 真っ暗なD16を淡々と進む。休憩したので痛みがかなり引いてちょっとだけペースアップ。掌や尻も若干痛いが脚自体はまだ残っているので足裏の痛みさえなければもっとペースを上げられるし時間も短縮できる。この足裏のダメージが初日のアクシデントによるものだとすれば返す返すも残念としか言い様がない。

 1077.6km、Blèvesの街中で左折してD3に乗る。

 直ぐに右折してD27に乗りBlèvesの街を出ていく。

 ちょっとした丘を幾つか越えつつD27を進んでいく。

 1084.7km、Pervenchèresの街を通過。街中のレストランはそこそこ繁盛している様子。何となく空腹感はあるがCPまでは15kmで1時間はかからないと思うので素通り。

 1086.1km、突き当りを左折してD931に乗る。

 田舎道の一軒家の門の前に水を用意してくれている。夜のオアシスは参加者にとって本当に有り難い。

 D931を進む。えっちらおっちら上っていると後ろから来た集団に散発的に抜かれていく。やはり相対速度は遅いがここまで来たら気にしない。CPまでは10kmを切った。

 1088.9km、上りのピークでSaint-Jouin-de-Blavouの街を通過、そのまま下る。

 CPまで10kmを切ってアップダウンが出てきた。なかなか楽はさせてくれない。最終盤には長い上りがあるのでそこまでは脚を残しておかなければならない。

 終盤でアップダウンがきつくなってきたが確実にCPに近付いている。もうひと頑張り。

 1097.1km、ラウンドアバウトを直進して上りになった。いよいよ最後の上りが始まったか。このステージは山頂ゴールだ。CPまではあと2km。

 序盤3%位の真っすぐな坂を上っていく。両足裏は相変わらず痛いがもうゴールは目の前なので構わず踏んでいく。

 上るにつれて勾配が増してきた。最後まで楽をさせてくれないか。

 1098.7km、遂にMortage-au-Percheの街に入った。上りはまだ続いているが集団がスピードアップしていく。ゴールまではあと300m。

 CPのゲートが見えた。何とかかんとかここまで辿り着いた。やっと今日の仕事が終わった。安堵感がぶわっと湧いてきた。

 空きスペースを見つけてバイクを停めて一息つく。

 周囲を見回すと芝生の上は屍累々な状態。寒くないから外でも寝てしまうのか。

 まずはコントロールに向かう。

 賑やかだがやはり往路に比べれば人は少ない。

 サインとスタンプをもらって無事にコントロールを通過。このスタッフのおじさん、絶対に以前どこかで会っている気がする。

 1099.0km地点のCP12/Mortage-au-Percheのチェックタイムは8/23の23:55。予定より2時間遅れだがこれでよく食い止めたと自分を褒めてやりたい心境。

 コントロールを後にしてそのままフードコートへ。寝る前に少しだけ食べておく。

 オランジーナ2本とパンを1個食べてしばし休憩。取り敢えずRambouilletまで残り120kmのところまで来た。ここまで1100kmきつい思いをして走ってきたことを考えれば残り120kmなんてあってない様なものだ。ゴールするまで気を抜かず慎重にならなければならないという冷静な自分より、もう半分ゴールした様な楽観的な自分がちょっと勝っている感じがあるので改めて自分を戒める。明日は予定では5:00出発だが睡眠時間を確保を優先して5:30にして起床時間を5:00にする。最終CPのDreuxのクローズ時間が11:32でマージンが少なくなるが普通に走れれば間に合う計算だ。明日の起床時間が決まったところで20分程の休憩の後席を立つ。

 メインホールを出て即ベッドブッキングに向かう。ドロップバッグはないしシャワーは浴びないし電装品の充電の必要もないし寝る以外にやるべきことはないのでかなり楽だ。ベッドブッキングはちょっと並んでいたけれどそれ程待たずに受付してもらえた。起床時間5時を告げてベッドに案内してもらう。

 壁際のなかなか良い場所でそれ程うるさくなさそう。マットレスを床に直敷きだが建物の中は寒くないのでウェアのままでも問題なし。耳栓をして念のためアラームをセットして速攻で毛布にくるまって寝に入る。就寝時刻は0:30。