PBP2023/Report 21:ゴール翌日~帰宅まで

 8/25(金)、6時過ぎに目が覚めた。起きる必要はないのにこの時間に目が覚めるとは今頃になってフランス時間に順応してきたか。昨日はそうでもなかったが一晩寝たら全身の疲労感がはっきり出て来てかなり怠い。多少不快感を伴うのでこれはもしかしたらワインの二日酔いの症状かも知れない。私的にワインとの相性が良くないことを忘れていた。両足裏の痛みは消えたが痺れに変わって脚の指の感覚が無くて立ち上がるとかなりの違和感。今日は帰国日なのでホテルを早くチェックアウトしてフライトの前にバイクケースを引き摺りつつParis市街を歩いて観光しようかと考えたりしていたがとてもそんなことをする気になれないので今日はこのままチェックアウト時間ギリギリまでホテルにいて空港に直接向かうことにする。朝食の時間になるまでうだうだとベッドの上で過ごす。

 6時半を過ぎて朝食に降りていく。身体は怠いが空腹感はしっかりある。食べることはランドヌールの基本性能の一つ。しっかり食べて満足。

 食事を終えてホテルの周りをちょっとだけ散歩。今朝はどんよりと曇りで涼しい。

 この車はドロップバッグの輸送車の様だ。大変お世話になりました。

  部屋に戻って再び寝に入る。

 1時間半位寝て目が覚めた。頭もスッキリしたのでぼちぼち帰り支度を始める。

 まずはバイクを輪行ケースに収める。700Cバイク様に設計されたケースに650Cサイズのバイクはすんなりと収まる。650Cバイクのメリットの一つ。

 パッキングを大体完了してチェックアウトの12時までベッドの上でうだうだと過ごす。

 11:50になったので部屋を出る。なかなか居心地の良い部屋だった。ちょっと名残惜しい。

 フロントに行ってチェックアウトしようとしたらクレジットカードを出してと言われたので何事かとやり取りしたがどうも話が噛み合わない。予約をした際にクレジットカード番号を入力したし返金不可と書いてあったのでてっきり支払い済みだと思っていたのだがそうではないらしい。取り敢えず言われるままにその場で支払いをしたが2重払いではないかとちょっと不安。帰宅して調べて2重払いだったら後でクレームを入れればいいかな。

 12時過ぎにホテルを後にする。値段は安くなかったけれどドロップバッグの受け渡しが楽だったしPBPの拠点としてはベストな選択だったと思う。

 バイクケースを引き摺りながら駅に向かう。

 迷うことなく駅に到着。道はちゃんと覚えた。

 St-Quentin-en-Yvelinesの風景もばっちり記憶に焼き付けた。落ち着いた街で住むには良い所だと思う。

 切符を買って改札を抜ける。勝手を覚えてよどみなく動けるようになった。

 Paris Montparnasse行きの電車がちゃんと表示されている。N線は動いている様で一安心。

 ホームに上がってしばし電車の到着を待つ。

 Paris Montparnasse行きの電車は17分後。

 日本の鉄道に比べてこっちの車両は造形的に見応えがある。大きくてメカメカしくてなかなか格好良い。

 Paris Montparnasse行きの電車が来た。早速乗り込む。

 12:47発のPars Montparnasse行きに無事乗車。車内は空いていてすんなりと座れた。

 Versaillesを通過。初日のアクシデントが随分前の出来事の様に思える。このアクシデントのシビアな記憶が上書きされてしまったがまたいつかゆっくり訪れたい。

 40分程でMontparnasseの街に入って来た。

 13:30にMontparnasse駅に到着。

 改札をくぐりロビーに出たら物凄い人混みで身動きが取れない。人混みをかき分けながら出口に向かう。途中でぜっとさんに遭遇、ちょっと会話して別れる。

 何とか人の海を泳ぎ切って横の出口から駅を出ていく。

 Montparnasse駅周辺は4年前の記憶のままで懐かしくもあり、今回更に馴染んだ気がする。次は更にリラックスして訪れることができるだろう。

 Montparnasse駅からPort-Royal駅までは行きと同じく徒歩移動。1kmちょっとのParis観光開始。

 駅前にはたくさんの自転車が止められている。実用自転車的形状のものも結構ある。駐輪スペースではないので割と無秩序。

 バイクケースを引き摺りながら細い歩道を行きかう歩行者を避けながら進む。

 Parisの街中は古い建物と新しい建物がそれ程秩序があるわけでもなく併存している。この秩序と無秩序の絶妙なバランスが歴史と美観と活気を併せ持った街を作り出している様に思える。

 通りを行きかう人達の人種も言葉も様々。通りすがりの人々の会話の音が心地良く聴こえる。もちろんフランス人の割合は高いがParisの街中には多様性がしっかりと根付いている。その街の中に通りすがりではあるが同化して街の一部になっている(と勝手に思い込んでいる)自分がいることが何となく嬉しい。私も日本の枠から出て世界を物怖じせずに歩ける人間になったのではないかとちょっと頼もしく思える。

 2019年に完走打ち上げでムール貝を食べに来た店の前を通過。あの時の至福の時間の記憶が蘇って来て懐かしい。寄っていこうかと思ったが昼からビールという余裕は体調的にも時間的にもなさそうなので素通り。

 ムール貝、またいつか来る時を楽しみに。

 ここの街中にも教会。今回のPBP走行中にもたくさんの教会を見たなあと懐かしく思い出される。信仰心は微塵もないが歴史ある建物を見て荘厳・幻想的な空気を感じさせてもらった。

 大通りから中に入った狭い路地のごちゃっとした感じもParisの風景の一つ。自転車の存在もきちんと道路に記されている。

 街角の歩道にせり出したカフェの店先がParisの街の寛容さと活気を表している気がする。

 のんびりぷらぷら歩いているうちに駅傍の交差点までやって来た。

 RER B線のPort-Royal駅に到着。30分程のParis市街観光はこれで終了。

 駅横のエレベーターで階下の駅ロビーに降りる。

 自動券売機で切符を買う。まずは言語設定、Englishを選択。

 Navigo Passは持っていないので右側をタッチ。

 Airport ticketsを選択。

 Ticket Charles De Gaulle Airportを選択。

 Full fareを選択。

 タッチ決済のクレジットカードをここにタッチすれば精算される。いたって簡単。

 改札を通ってエレベータでホームに降りる。

 ホームに降りて電光掲示板で乗るべき電車をチェック。空港方面に進む電車には2方向あって空港に行かない電車もあるので注意。ちなみにこの表示は空港方面ではないので乗ってはいけない。Aeroport Ch. de Gaulleが点灯している電車を待つ。

 Montparnasseの乗り換えまでは順調。ここから空港まではスリや置き引きに注意しなければならない。最後の関門を確実にクリアできる様に細心の注意を払う。

 空港行きの電車表示になった。途中駅が幾つか消灯しているのは快速電車ということ。各駅停車は治安の悪い場所の駅に停車するのでスリにある確率が高いということで快速に乗る。

 乗るべき電車が来た。

 14:19発のAeroport Ch. de Gaulle行きに乗車。降りる駅はterminal 1で終点の一つ手前。

 車内はそこそこ混んでいる。不審な人物がいないか注意を怠らずに緊張を保つ。

 フランス最後の鉄道移動が緊張感に包まれて楽しむ余裕がないのはちょっと残念だがまあこれも旅の一部かな。

 14:56、Aeroport Ch. de Gaulle teminal 1駅に到着。40分足らずの最後の電車移動は終了。緊張が解けてほっと一息。

 エレベーターで改札ロビーに上がる。

 改札を出て案内表示に従ってCDGVAL乗り場に向かう。

 ホームに着くとちょうど車両が到着していたので直ぐに乗り込む。

 降りるのは終点のTerminal 1。

 車内はそれ程混んでいなかったので輪行ケースは問題なく置くことができた。

 5分程でCharles de Gaulle空港Terminal 1に到着。ホテルからここまでは2時間10分位。滞りなく移動すればこれ位の時間で済むのだが、やはり初日のアクシデントは想定外の時間と体力のロスだったと改めて認識。

 案内表示に従って出発ロビーに向かう。

 帰りのフライトは予定通り19:20発で今のところ遅延は無し。チェックインカウンターはHall 1。

 案内表示に従ってチェックインカウンターを目指す。

 Hall 1に到着。チェックインカウンターはまだオープン前。オープンは16:20なのでまだ1時間位ある。

 先に自動チェックイン機でチェックインを済ませておいて預け入れ荷物のタグを受け取っておいてカウンターでは荷物の預け入れ手続きだけにしておく。

 Hall 1の前でつかぽんさんに遭遇。ぼちぼち会話しながらカウンターオープンを待つ。

 そろそろオープンの時間なので列に並ぶ。ツアーの一行もこの便なので結構な数の日本人参加者が集まっている。

 それ程待たずに順番が回って来た。バイクケースの預け入れはすんなり終了。

 バイクケースはゴンドラに積まれて別の場所の検査場に運ばれていくのを見届けてその場を離脱。

 バイクケースを預けて身軽になってようやく気楽になった。何となく空腹感があるので何か食べようと思ったがビールを飲める体調ではないので前回同様マクドナルドに行く。

 ビッグマックセットで人心地。久し振りにマックを食べたけれど正に世界共通の何の変哲もない味だね。

 40分近く休憩してマックを出て、特にやることもないのでそのまま搭乗口に向かう。

 

 出国審査を終えてこの通路を渡るといよいよフランスに別れを告げるという感じがする。

 保安検査はバックパックを開けられてかなり入念にやられたが無事に通過。免税店には興味はないので素通りして搭乗口へ。

 17:50過ぎに搭乗口に到着。フライトまでは1時間半、意外に時間が潰れてそんなに退屈している暇はなかった。

 ロビーの椅子に座って搭乗開始をぼさーっと待つ。早く飛行機に乗って寝たい。さっきから同も聴いたことのある名前が何度もカウンターのアナウンスで呼ばれているのだが何かあったのだろうかちょっと気になる。

 定刻より遅れて19:15に搭乗開始。さらばフランス。4年後のことは取り敢えず今はノーコメントとしておこう。

 あの機体に乗った瞬間に海外旅行のプレッシャーが消えてしまう。今はそれが名残惜しい。昔は旅行嫌い外国嫌いだったのにこの歳になってそのプレッシャーを楽しむことができているのに自分でもちょっと驚く。

 復路便も最後尾の座席を確保して心置きなくシートを倒せる。搭乗率は80%というとこか。

 IFEはノーマルタイプだが多分殆ど寝ていて使うことはないだろうからどうでもよい。予定より遅れて離陸、機上の人となる。

 離陸後のドリンクサービスはやっぱりトマトジュースとビール。体調不良で美味しくないかと思ったがそんなことはなかった。レッドアイはいつ飲んでも美味しい。

 一回目の機内食。量も味も充分。サラダがとても美味しい。帰国したら色々食べたいものはあるけれど、やはり所沢大勝軒かD麺のつけ麺を食べたい。それと山盛りの生野菜のサラダを食べたい。

 食事を終えて速攻で耳栓をして寝に入る。

 途中何度か目を覚ましつつひたすら寝続けて8時間経過。フライトマップを見ると復路はロシアの南側を飛行している。やはりロシア上空を完全に避けた航路になっている。

 2回目の機内食。ただ座っているだけでやはりお腹は空く。美味しく完食。

 Garminに怒られた。言われなくても今日は完全休息日にしますよ。到着まで2時間余りだが再び寝に入る。

 15:50に羽田空港着。出発の遅れを取り戻して定刻通り。東京は相変わらず暑い。

 バスでターミナルビルに移動。

 飛行機を降りて到着ロビーに歩いていく間にどんどん現実に引き戻されていくのはいつもの状態遷移。でも大きな冒険をして目的を果たして少しだけ日常が違って見えるのがちょっと嬉しい。

 入国審査を自動機で通過してバイクケースが出て来るのを待つがなかなか出てこない。リムジンバスの発車まで1時間あるから余裕かと思ったがちょっと危うくなって来た。20分程待ってようやくバイクケースが出て来て急いで通関検査を受けに行く。

 通関検査をすんなり通過して到着ロビーに出た。東京というか日本は結局こういうイメージを前面に出すのか。全面否定はしないが私的には違うと思う。他にもっとアピールすべきものがあるのではないだろうか。

 急いでリムジンバスのチケットを買う。何とか間に合いそうだ。

 バス乗り場を間違えて無駄に動き回ってしまって大汗を掻いてしまった。

 何とか間に合ってホッと一息。

 それにしても暑い!フランスも暑かったがやはり東京の方が暑い。このシビアな日本でこれからもしっかり生きていかなければならない。

 16:55発所沢行きのリムジンバスに無事乗車。これで予定通りの帰路の移動手段が確保できたので一安心。

 羽田空港駐車場は物凄い混雑。当初は車で来ようと思っていたが止めて正解だった。

 何だかんだで飛行機に乗るのは私的にはまだ非日常体験なのでワクワク感があって空港の雰囲気の中にいるのは楽しい。今回も海外の空港の雰囲気を楽しむことができて良かった。ここを去るのがちょっと名残惜しい。

 首都高で渋滞にはまったが2時間弱の19:50に所沢駅に到着。

 ここから最寄り駅まで電車で行ってそこからバイクケースを引き摺って帰るのが億劫なので旅の浪費のついでにタクシーに乗って帰る。

 19:20、無事に自宅に帰着。これにてPBP遠征は終了した。

 Mission Complete.