ノートPCの入れ替え(LCDパネルユニット交換)

 2週間程前に自宅で主に使っているノートPCが”FAN ERROR”で起動しなくなった。以前から時たま同じ症状を起こして起動しなくなっていたのだが何度かやり直すうちに起動するようになったので騙し騙し使っていたが、今回は振動衝撃を加えてFANに刺激を与えてみたもののまったく起動しない。諦めて以前試しに買って馴染めなくて放り出していたMacBookを使って急場を凌いだがやはり使いづらい。駄目なノートPCを2晩放置した後再び起動を試みたら何事もなく起動したので取り敢えず何とか原状復帰したかと思いきや今度はキーボードの調子が悪くなってトラックポイントの左クリックボタンのチャタリングが酷くなりクリック誤検出が頻発するのでまともに使えずストレスが膨らむ一方になった。キーボードだけを交換することも考えたが例のFAN ERRORがいつ再発するかも知れないのでこれはもう買い替えた方が良さそうという判断に至った。

 私的には自宅使用のノートPCはThinkPad Xシリーズ限定で3~4年前の型落ち中古を定価の10分の1位の値段で買って3~4年使って買い替えるというサイクルが続いている。今使っているThinkPad X260は2019年の秋に買い替えたからまずまずサイクル通りということか。基本的にThinkPad X限定なので年式と価格だけを考えてネットで適当に探して1.7万円のx395を見つけてさっさと発注して2月の頭には届いた。ACアダプタが付属しておらず手持ちのものが使えなかったので中古のACアダプタをネットで発注して更に1週間待つことになったが、ようやく新しいPCを使えるようになった。

 さて、2台のPCを並べて旧から新への移行作業開始と思ったら新しいPCのLCDディスプレイの表示が見た目に明らかに荒い。調べてみたら今までのPCは1920x1080のFHDだったのに対し新しいPCは1366x768だった。LCDの解像度には全く頓着しておらず新しいPCが古いPCに性能で劣るはずはないと思い込んでいたのだが、新しいPCは低解像度LCD搭載モデルだった様だ。ネットショップの商品説明にはそう言えばLCD解像度の記述はなかったが妙に値段が安かったのはそういう落とし穴があったのか。しまった、これは迂闊だった。既に買い替えてしまった以上これをこのまま使い続けるしかないのだが、FHDの精細な画面を見慣れてしまった目にはこの粗い画面にはこの先ずっとがっかりし続けることになってそれはそれでストレスだ。何とか力技でLCDを交換する方法はないものかとネット上を調べて回ると、ThinkPadの他のモデルでLCDパネルユニットだけを高解像度用に交換している実例が幾つも出てきた。これはきっとx395でもできるに違いない。要するにx395の高解像度LCDパネルユニットのみを買って交換すればよいのだ。ネットで交換用LCDパネルユニットを探したら案外簡単に見つかった。値段は1万円位でそんなに安くはないが思い立ったらもう試さずにはいられない。速攻で発注して到着を待つ。

 1週間程して中国からの国際郵便で届いたので早速開封。

 厳重な包装を解くとLCDパネルが出てきた。このLCDパネルユニットの型名は”N133HCE-EAA”、ネットで調べてみたら解像度は1920x1080だった。中国発注だったので何が届くのか心配だったが取り敢えず間違いではなさそうだ。

 表面には保護フィルムが貼られている。破損はなしで一安心。

 術式前のPC。ほんの数日だったが低解像度画面もこれで見納め。

 まずはLCDパネルのベゼルを外す。外し方は下記LENOVO公式ガイドを参照。

support.lenovo.com

 こういう情報がネットにあるのはDIY人間にとってはありがたい。

 動画の手順通りにLCDパネルとベゼルの隙間に爪を入れつつ持ち上げてバキバキと外していく。ねじ止めは全くなく接着テープと引っ掛ける爪で止まっているだけの構造。ベゼルは薄く力を入れ過ぎると割れてしまいそうだが力を加減しながら割らない様にじわじわと外していく。

 取り敢えずベゼルが外れた。爪が幾つか折れてしまったが止むを得ない。

 ベゼルは再利用するので伸びた接着テープを何となく元に戻しておく。

 PC本体とLCDパネルユニットとの接続はこのFCCコネクタ1か所のみ。コネクタの上に透明の保護テープが貼ってあるので慎重に剥がす。テープが剥がれたらコネクタ抜け防止の針金状のストッパーを慎重に持ち上げるとあっさりとコネクタが外れる。

 LCDパネルユニットはネジ止め個所も爪による引っ掛け部分もなく上部に2か所両面テープで固定されているだけなので割らない様に力を加減しながら剥がすとあっさりと外れる。

 あとは新しいLCDパネルを今までの逆の手順で取り付けていく。

 コネクタの位置はコンパチなのでそのまま綺麗に収まる。基本的に同モデル上のLCD解像度バージョン違いは設計的にパネルユニットの置き換えだけで済む様になっているはずなのでこれは当然と言えば当然の話。

 ベゼルを取り付ける前に通電して正しく表示されるかどうかチェック。問題なく表示されることを確認して一旦電源を落としてベゼルを取り付ける。爪が何か所か折れてはいたが基本的に接着テープの保持力が効いているので問題なく取り付けることができた。

 所要時間30分程で無事に交換作業は完了。今まで見慣れたFHDの精細表示に変わって違和感がなくなった。

 念のため解像度を確認したらちゃんと1920x1080になっていた。

 これで目論見通りノートPCの改造作業は完了、ストレスなくPCを使うことができる。1.7万円の中古PCがACアダプタ0.1万円とLCDパネルユニット1万円で2.8万円になってしまったが機械弄りの楽しい時間も過ごせたしまあ満足な結果に終わってよかった。次にPCを買い替えるのは3年後とすると60歳を超えている。何をするにしてもぼちぼち人生の終点が見え隠れするようになってきた。身体的な老いも手伝って新しいものに触れるのが億劫になってきているのが自分でもよくわかるが、取り敢えず身の回りのちょっとした新しいものにはできるだけ触れるようには意識しておこうと思う。今回のPCの入れ替えでOSがWindows11になった。あちこち変わっていてまだ慣れないがこれも世の中に追従する作業の一つと割り切って慣れていこう。