1001Miglia2024/Report 14:Stage 10,Day 3/Tavernelle S'Eusebio->Matassino(81.2km/995.9km)

 8/19(月)、18:38にTP10を出発。

 TPを出て幹線道路に突き当り右折して西に向かって走り出す。

 第10ステージはTP10までの81.2km。

 前半に標高差300mと150mの山を2つこなして後半は微妙なアップダウンの大地を走って下りゴールという感じ。獲得標高差は825mだから常識的な範疇に収まっている。このステージをこなせば前半3日間の山岳ステージをほぼ終了できるし仮眠もできる。この5時間が最後のひと踏ん張り。無難に走り切ることに全集中する。

 平坦基調を進む。再び車の往来が増えてきた。

 922.0km、前方の丘の上に街が見えてきた。

 923.1km、Castiglion Fiorentinoの街中に入って右折。

 曲がってすぐに上り始める。

 923.5km、突き当りを右折して更に上っていく。街中から最初の山越えが始まった様だ。

 923.8km、街中でも8%の上りが出てくる。えっちらおっちら上っていく。

 イタリアにも自転車との車間距離を1.5m開けようという標識があるが、ここまで走ってきてこれをやってくれる車はそれほど多くない。イタリアの車は自転車に対してあまりフレンドリーでないというのがここまでの率直な感想。

 街を抜けて更に標高を上げていく。

 8%を超える急斜面が出てきた。足裏に必要以上のダメージを加えない様にそろりそろりと踏んでいく。

 930.0km、1つ目の山のピークに到達。全ステージの山に比べれは全然低いからあっという間に上り切った気がする。そのまま下りに入ってく。

 急勾配を一気に下って行く。明るいうちだと下り易いので次の山も明るいうちに下ってしまいたいところだが間に合うか?

 937.3km、Palazzo del Peroの街に入ってArezzo方面に左折。ここで下りが終わって再び上り始める。2目の山の上り開始。

 途中で幹線道路に合流しつつ3%弱の緩い坂をぼちぼち上って行く。

 940.0km、Poti方面に右折したところでいきなり勾配がきつくなった。

 10%近い急坂をえっちらおっちら上って行く。標高差150mなんて楽勝だと思っていたら甘かった。

 940.9km、急坂が終わったところでピークに到達。2つ目の山もクリアしてこの後はもう山越えはない。気持ち的にかなり軽くなって下りに入って行く。

 下り始めて森の向こうに夕焼けが見えた。ギリギリ明るいうちに下ることができそうだ。

 山の向こうの夕焼けが幻想的な風景。まさにマジックアワー。

 曲がりくねった急勾配の坂を慎重に下って行く。

 947.0km、下りがほぼ終わってArezzoの街に入った。

 街中は夕刻の混雑で車の往来が多い。路駐の車に注意しながら進む。正面に見える教会らしき塔が夕焼けの中にシルエットで浮かんで印象的な風景。

 947.8km、左折して細い路地に入る。曲がってすぐに上りになった。

 路地を抜けたところで更に勾配がきつくなって真っすぐに上って行く。

 948.7km、上りはすぐに終わって下りながら陸橋の下をくぐってArezzoの街を出ていく。

 長い下り基調から平坦に移行して真っ直ぐな幹線道路を順調に進む。車通りがそこそこ多く結構なスピードで抜かれるのでちょっと緊張しながら走る。

 957.6km、長い赤信号に待たされた後に橋を渡る。

 微妙なアップダウンがありつつも平坦基調を淡々と進む。車がほとんどいなくなって落ち着いて走ることができる。

 963.7km、上りが出てきた。あっという間に5%を超えて来てかなりきつい。足裏が痛くて踏めなくなってきたのでそろそろどこかで休まなければ。

 足裏を庇って走っているのが他の場所にもダメージを蓄積してきて尻と両掌の痛みがかなり増してきた。こうなって来るともうゴールするまで回復することはないので、こまめに休憩を入れて短期的に痛みを緩めて走るしかない。足裏と掌と尻、要するにバイクと繋がっている部分のダメージを極力軽減するフォームを探りながら走る。

 968.3km、San Giustino Valdarnoの街に入ってMontevarchi・Loro Ciuffenna方面に右折。

 緩やかなカーブの続く平坦路は車通りが全くなく落ち着いて走ることができる。自転車で走るにはかなり楽しい道のはずだがいかんせん足裏が痛くてあまり楽しむことができないのが残念。

 いよいよ両足裏の痛みが我慢し切れなくなってきてどこでもいいから休憩できそうなところ探しながらノロノロと走る。

 973.4km、街灯のある枝道との分岐のちょっとしたスペースを見つけて止まる。草むらに座り込んでシューズを脱いで両足裏をマッサージする。とにかく5分でも両足を開放して血行を良くしてやれば痛みはかなり引くので休み休み走ればまだ何とかなる。10分弱の休憩の後出発する。

 痛みが和らぐとそこそこ踏めるようになってペースが回復する。落ち着いたワインディンロードを順調に距離を消化していく。

 977.3km、左に曲がりながら下りになった。

 977.7km、下りながらPian di Sco・Castelfranco方面に左方向に進む。やっと台地から下りる時が来たか?

 と思ったら再び上り始めた。がっかり。

 978.4km、Loro Ciuffennaの街中に入ってピークを通過、徐々に下り始める。

 空は綺麗に晴れ渡り月がくっきりと見える。雨の心配を全くする必要なく走ることができるのは精神的負担が減るのでありがたい。

 引き続き微妙なアップダウンのあるワンディングロードを進む。

 985.9km、Certignanoの街を通過。

 987.4km、古い教会の様な建物の前を通過。

 987.6km、Castelfranco Piandiscoの街に入ってFirenze方面に左折。街に入ったところから徐々に下り始めた。遂に下界に降り始めたか?

 988.1km、時刻は23時過ぎ、寝静まった街中を抜けて行く。

 988.4km、Firenze方面に右折して下りながらCastelfranco Piandiscoの街を離脱。

 街を出てから下り勾配がどんどんきつくなっていく。台地からの降下は間違いない。あとはゴールまで下りだと考えると元気が出てきた。ゴールまではあと7km。

 989.4km、Figline V.No・Faella方面に右方向に進みつつ更に下って行く。

 991kmを過ぎて下り基調がほぼ終わって平坦になった。順調に距離を消化していく。

 994.4km、Firenzeに入った。

 994.6km、Pian di Sco'・Reggello方面に道なり右に進みつつMatassinoの街に入って行く。

 995.8km、寝静まった街中を右折すればTPはもう目前。

 1001Migliaのバナーが見えた。右折して敷地内に入って行く。

 ゲートをくぐれば今日の仕事は終わりだ。安堵感がどっと湧いてきた。

 敷地内でちょっと迷ってしまったが無事にTPに到着、すぐにスタッフのナンバープレートチェックを受けて一安心。到着した時ちょうどナミキさんに遭遇してしばし会話する。

 995.9km地点のTP10に到着、チェックタイムは8/19の23:35。予定より1:35遅れだが足裏の痛みでペースが上がらず休み休み走ったことを考えれば止むを得ない。取り敢えず日付が変わる前に到着して良かったとしておこう。

 ここは2ndドロップバッグのTPなのでまずはドロップバッグを受け取る。

 待つことなくすぐに受け取ることができた。

 次に夕食。パスタかピラフ、バナナ、ジャムパイ、水の基本セットは無料。有料メニューでトマトソースのシチューっぽいもの(Pappa al Pomodoroという名前)がとても美味しそうに見えたので注文。

 ピラフの様な米料理は見た目に反して冷たかったがPappa al Pomodoroは暖かくて美味。空腹なので何を食べさせても美味しく感じる状態だから全く問題なし。食べながらようやく人心地付いて初日から3日間の山岳ステージの前半を何とか走り終えたことの満足感と達成感を噛み締める。これで完走確率はだいぶ高まったものと思われ気持ち的にかなり軽くなった。20分で食事を終えてスタッフに場所を聞いてバイクから必要な荷物を取り出して仮眠場所に移動する。

 フィットネスルームの様な体育館と比べるとかなり狭い部屋の中にぱっと見30~40人位の人が雑魚寝していてかなり混雑している。これは想定外だがここで寝るしかないので部屋の中を歩き回って何とか寝ころべそうな隙間を見つけて寝床を確保する。電装品の充電をセットしつつ、明日の起床時間を考える。予定では5:30スタートなので5:00お気になるが、昨日まで睡眠時間は間違いなく足りていないので7:00スタートということにして6:30にアラームをセットする。残念ながらマットやシーツ類は何もないのでそのまま固い床に寝転がって耳栓をしてエマージェンシーブランケットをかけて就寝態勢に入る。就寝時刻は0:30頃。