SR600oirase/Report 1:スタート前日まで

 10月も下旬に入り一気に気温が下がって来た。もう流石に残暑がぶり返すということはなさそうだ。週末のFlecheを何とか走り終えて、これでブルベ再開後の今シーズン最大の山場となるアタック八戸1000km、SR600奥入瀬、アタック二本松600km、日本橋Fleche360kmの中7日4連投を何とかクリアすることができた。身体的には左膝を痛めてしまい疲労も結構残ったが心理的にはこの無茶なスケジュールのプレッシャーから解放されてかなり気楽になった。これでほぼ今シーズンのブルベは終了で後はBRM1031埼玉200の1本を残すのみとなったが、走行レポートはしっかり溜まったままとなっており今度はこれが心理的プレッシャーとなっている。今シーズン最後のブルベを走る前にできるだけやっつけておかなければならない。

 そんなわけでSR600奥入瀬の走行レポートは以下の通り。

 

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[目次]

序章

 コロナ禍のブルベ自粛が終わり活動再開となったのが9/1、夏が終わって秋から冬へと季節が進みブルベの2020年シーズンも残すところ2か月しかなくなっていた。予定では2020年にはSR600をできれば2本走りたいと目論んでいたのだが残りの2か月で2本を入れるのはスケジュール的に無理なことは直ぐに分かった。せめて1本だけでもと考えたが取り敢えず週末に入れるのは難しい情勢、幸い8月のイタリアの1001Migliaのために使おうと思っていた5日分の連続休暇が丸々浮いていたのでこれを使って平日に入れるのが良いのではないかと考えた。取り敢えず寒くならないうちにということで9月28日から10月2日の週に練習をセットしどこに行くかを考えた。先ず考えたのはAJ岡山さんのSR600四国山脈だが西日本はこの時期台風に見舞われる確率が高そうなのでちょっと躊躇して、東日本で考えるとまだ走っていないのはSR600奥入瀬の一択(SR600日本アルプスは現在走行不能状態)となった。取り敢えずざっと走行プランを検討してみたところ、宿の選択肢が非常に少ないことが分かったがあれこれ探し続けたところ何とか実走できそうな走行プランになりそうだったので取り敢えず出走登録をして宿の予約を入れた。 

 取り敢えずコース全体像を眺めてみる。累積標高は10,636m(ACP申請値)で数値的には他のコースに比べて少ない。山岳の配置は全体的にまんべんなくという感じで1000m級の山は2つ、332km地点の八幡平と517km地点の八甲田山だ。中盤にかけてロングヒルクライムが設定されている。ざっと見て激坂の山越えというのはなさそうだが八幡平の距離14.8kmで平均勾配6.5%の登りはかなりきつそうだ。

 このコースを2泊3日に3分割して走行プランを立てる。私的なSR600の基本パターンは朝スタートで240km+240km+120kmで60時間をフルに使う組立てだが、これを目安に仮眠宿を探していく。

 初日は丁度良い場所に宿が見つからず、その前後を探っていくと取り敢えず約270kmの田沢湖の傍に民宿が見つかった。距離270kmというのはSR600ではかなりきつい距離だが、取り敢えずこの区間に1000m級の山はなく早朝スタートにすれば何とか行けるかも知れない。宿の最終チェックイン時間が22:00なのでこの時間に間に合うかどうかが今回のチャレンジの最大の関門になりそうだ。

 2日目は距離的に丁度良い場所に宿が見つかった。区間距離約230kmでここに今回のコースの最高標高地点となる標高1570mの八幡平が入る。上手い具合に前半100km以内で登ることになるのでまだ脚がフレッシュなうちにクリアするというのは理想的な配置だ。これでこの区間は後半が心身共に楽になるものと思われる。宿の最終チェックイン時間は22:00だが初日よりは余裕があるものと思われる。

  3日目は120km弱でしかも八甲田山を里スタート直後に上り始めるというのは理想的な配置となった。早い段階でその日の最高標高地点を越えてしまうというのは心身共に非常にメリットがある。

 走行プランを確定させてみると、初日をとにかく22時までに走り終えることができれば、その後はそこそこ余裕を持って走ることができそうなプランが出来上がった。後はその1週間前にBRM919埼玉1000アタック八戸を走り終えてどの程度疲労や故障を残しているかにかかってくる。その意味でアタック八戸の走り方が重要になってくる。

 

 幸いアタック八戸は予想以上に上手く走ることができ、疲労をそれ程溜めることもなく走り終えることができた。但し、終盤で右膝に痛みが出てゴール後に若干の痛みが残ったので取り敢えず1週間は完全休脚日として静養に努め1週間で何とか痛みが消えるところまで持ってくることができた。バイクは1000kmの時と同様にアップグレードしたORBEA/DIVAを投入、スプロケットは28Tを付けていくことにする。9/26に9連休に突入し、ぼちぼち準備を進めて前日までに大方完了することができた。やはり遠征前に数日間休みがあると余裕度が全く違う。

スタート前日

 9/29(火)、11時半に自宅を出発。輪行袋を担いで徒歩で最寄り駅に向かう。

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 12時前に西所沢駅に到着。さて電車に乗ろうと思ったらpasmoか改札て弾かれてしまう。残高はたっぷりあるのに何故だろうと駅員さんに聞いたら、3か月以上使わなかったら自動的にロックがかかるとのこと。確かに半年以上使っていなかった。窓口でロックを解除してもらい無事に改札を通過、いよいよ遠征スタート。

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 平日のこの時間だと電車は空いていて輪行袋の持ち込みは全く問題ない。西武池袋線、武蔵野線、埼京線と乗り継いで大宮駅に向かう。

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 13時過ぎに大宮駅に到着。13:46発のやまびこ25号で八戸に向かう。

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 定刻通り新幹線が到着。

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 私的には鉄道ファンではないがちょっとワクワクする。

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 この車両の乗車率は30%位。思っていたより多い感じ。取り敢えず3列シートが占有できたので輪行袋を手元に置くことができた。もし誰か載ってきたらデッキに移動させるつもりだ。

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 16:15に八戸駅に到着。2時間半程の新幹線の旅はあっという間に終わった。

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 1週間前に2020BRM919埼玉1000アタック八戸でここにゴールしたばかりなので新鮮さには欠ける感じ。駅ビルに直結したホテルに向かう。

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 16:30にホテルの部屋に入る。明るいうちに到着できたので心理的にもかなり余裕がある。

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 間髪入れずに輪行解除。10分程でバイクの組み立ては完了。バイクを組み立てるのは仕舞うより遥かに楽だ。

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 バイクを組み立て終えて夕食のために外出。1週間振りの八戸はちょっと肌寒い。犯人は現場に戻る、か。

 夕食は以前から目を付けていた駅の直ぐ傍の中華料理屋と予め決めてある。ここは唐揚げの量が凄いことで有名で、以前の八戸遠征でも行こうと思っていたが臨時休業だった。今日こそはと意気込んで向かう。

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 残念ながら今日も店休日だった。事前情報では今日は営業日のはずなのに、どうやらここは不定休の様だ。がっかりして他に店を探そうかと思ったが宛てがないので面倒臭くなって駅前のコンビニで済ませることにした。

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 弁当やら夜食やら明日の朝食やらを買い込んでホテルに戻った。先ずはシャワーを浴びてすっきしてちょっと早めの夕食を取る。

 夕食を食べ終えてもまだ19時前、かなり時間的に余裕がある。速めに寝れば7~8時間位は寝られそうだ。但し、実際にそれだけ眠れるかどうかは定かではないが。夜食のスナック菓子をつまみつつスマートフォンを眺めつつのんびりと過ごす。天気予報を確認するが今のところゴールまでの行程上で雨予報はない。今回は降られずに済みそうでかなり心理的には楽だ。そのうち何となく眠気が来たので逆らわずに寝ることにする。明日は5時スタートなので4時にアラームをセットしてベッドに入る。消灯時刻は21時前。